登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (10) |
登録年 | 2014年 |
フィリピン南東に浮かぶミンダナオ島にあるハミギタン山。ここは「東ミンダナオ生物多様性回廊」と呼ばれる地域の南西部にあたるプジャダ半島に広がる野生動物保護区で、標高によって生物の多様性が異なるという垂直分布が見られます。そして、ウツボカズラ属の植物など、固有の動植物が見られ、高地はカザリシロチョウ属のデリアス・マグサダナの唯一の生息地となっているのが特徴。
ここではハミギタン山域野生生物保護区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ハミギタン山について詳しくなること間違いなし!
ハミギタン山域野生生物保護区とは?
プシャダ半島はミンダナオ島の東ダバオ州にあり、保護区は標高1637mのハミギタン山を中心としたエリア。ここは「東ミンダナオ生物多様性回廊」と呼ばれる地域の南西部にあたり、標高75mの熱帯雨林から標高1637mの低木の雲霧林地帯の範囲にいたるまで陸生と水生の動物が多く生息し、植物の垂直分布が見られます。
ハミギタン山域野生生物保護区は、絶滅の危機に瀕した固有の動植物の保護区となっていて、8種類はハミギタン山以外で見ることができません。両生類と爬虫類の固有性が高く、70%以上がミンダナオ島の固有種であるというほど。特に高地はカザリシロチョウ属デリアス・マグサダナの唯一の生息地となっていることで有名。壺型の葉を持つウツボカズラ属やフィリピンワシ、フィリピンオウムの生息地となっています。
ハミギタン山域野生生物保護区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ハミギタン山が評価されたのが、以下の点。
登録基準(x)
ハミギタン山域野生生物保護区は、山岳生態系が保護されているエリアで、ミンダナオ島独自の固有種が多く見られます。特に異なる土壌や気候条件が揃った生息地が続き、生物多様性が見られることから世界的にユニークな種が発見されているのが特徴。ここはフィリピンワシなどの絶滅危惧種を含む341種の固有種を含めて、1380種もの動植物が確認されています。そして、両生類の75%が固有種、爬虫類は84%が固有種であるというほど。標高1160〜1200mの森林にはフィリピンでも数少ないウツボカズラの保護区であり、世界で唯一のカザリシロチョウ属のデリアス・マグサダナの生息地でもあるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ミンダナオ島でも生物多様性が見られるエリアで、標高差によって多様な生態系が存在するというのが特徴で、両生類と爬虫類が多く、世界でもユニークな植物ウツボカズラの保護区となっているという点で評価されています。
ちなみに、ウツボカズラの葉っぱは捕虫器と呼ばれるもので、虫をここに落として溶かし、栄養素にするというもの。とはいえ、別に虫だけでなく、カタツムリやカエルなどが入っていることもあり、割とハマると恐ろしい植物でもあります。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。