セントルシアの世界遺産「ピトン管理地域」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(7), (8)
登録年2004年

カリブ海に浮かぶ島国セントルシア南東部に位置する、大ピトンと小ピトンという2つの小さな火山が世界遺産に登録。この2つの火山は「ピトン・ミタン尾根」と呼ばれる尾根で繋がっていて、亜熱帯温潤林と温帯乾燥林が覆われているのが特徴。大ピトンは148種、小ピトンは98種もの植物が生息し、鳥類は固有種が見られ、周辺の海域の生態系も豊かです。

ここではピトン管理地域がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ピトンについて詳しくなること間違いなし!

目次

ピトン管理地域とは?

画像素材:shutterstock

セントルシアは少アンティル諸島に属する火山島の一つで、南西部にある2つの火山は島のシンボル的存在。南側の高さ798mの大ピトン(グロ・ピトン山)、北側の高さ743mの小ピトン(プチ・ピトン山)の2つは、スフリエール火山と呼ばれる火山帯の一部。ここはかつては巨大な成層火山の一部で、火山が崩壊して形成されたと考えられています。

ここは小さい火山なのにもかかわらず、動植物の多様性が豊富なのが特徴で、亜熱帯温潤林と温帯乾燥林が混在しています。大ピトンは148種、小ピトンは98種もの植物が見られ、他にも鳥類は固有種が生息。周辺の海域は、急勾配の大陸棚が広がり、ここにはサンゴ礁が見られ、絶滅危惧種のタイマイやジンベエザメなども生息しています。

ピトン管理地域はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

ピトンが評価されたのが、以下の点。

登録基準(vii)
ピトン管理地域は、2つの森林に囲まれたピトンを中心に構成され、島の各地から眺められるランドマークでもあり、熱帯植物も多く、海岸沿いの地形が合わさった絶景が見られるという点。

登録基準(viii)
ピトン管理地域は、スフリエール火山と呼ばれる火山帯の一つで、かつては成層火山が崩壊したもの。ピトンには、火山の噴火跡のクレーターや火山灰による堆積物など、さまざまな火山の特徴が見られ、これらの地形は地殻プレートの浮き沈みに関連する、安山岩(マグマが急速に冷えて形成された岩)で構成される複式火山を示すものであるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

ピトンはセントルシアのシンボル的存在で、大ピトンと少ピトンで構成されますが、この2つの火山はかつては一つの成層火山が崩壊したもので、ここにはクレーターや火山灰が積み重なった跡など、地殻プレートの浮き沈みにも影響した、複式火山が見られるという点で評価されています。

ちなみに、セントルシアの地ビール「ピトンビール」はこの2つのピトンから由来するもの。イラストも2つの火山が並ぶ姿が描かれていて、日本でいえば富士山のような存在のようです。もちろん、国民ビールだけにさっぱりとしたラガータイプ。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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