登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (10) |
登録年 | 2017年 |
中国西部に位置する青海可可西里(フフシル)は、標高4500m以上の高山と草原から構成される、世界で最も広大で高所にあるという平原。ここは平均気温は0度以下で、独特の生物多様性が見られ、固有種として有名なチベットカモシカ(チルー)の移動ルートとなっています。
ここでは青海可可西里(フフシル)がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、フフシルについて詳しくなること間違いなし!
青海可可西里(フフシル)とは?
フフシルはモンゴル語で「青い峰」を意味するもので、チベット語では「ホホシリ」と呼ばれます。青海省南西部からチベット自治区の北部にまたがる広大なエリアで、フフシルはチベット高原の一部に属し、世界で最も標高の高い位置にあり、広大な高地でもあります。ここは標高4500m以上の山地と草原が広がっていて、平均気温が0度以下で、年間最低気温は-45度に達するほど。ここは湖が集中しているエリアでもあり、気候的に独特な生態系が見られます。
この地を見られる植物種の3分の1以上、草原に生息する哺乳類の60%が高原の固有種となっています。特にチベット高原だけに生息するチベットカモシカ(チルー)の移動ルートになっているのが特徴。北のアルトゥン山脈からフフシルを経由して青海省南部まで移動するということもあり、高速道路や鉄道が敷かれている上に密猟者も出現することから、現在は国家自然保護区に登録され、パトロール活動が盛んでもあります。
青海可可西里(フフシル)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
フフシルが評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
フフシルは、世界でも最も高い位置にある高原で、ここは何万もの湖が点在し、長江の水源ともなるほどで、チベットカモシカが出産をするために訪れる場所であるという点。
登録基準(x)
フフシルは、植物種の3分の1以上、草原に生息する哺乳類の60%が高原の固有種であり、世界のチベットカモシカの最大で約40%と野生のヤクの約50%が生息。特にチベットカモシカは出産のためにこの地を訪れ、最大で4万頭も集まり、これは世界のチベットカモシカの20〜40%に相当するということ。
世界遺産マニアの結論と感想
フフシルはチベット高原の一部であり、世界でも最も標高の高い位置にある平原。無数の湖が点在する地であり、希少種であるチベットカモシカが出産するのに適していて、ここは移動ルートとなっているという点で評価されています。
青蔵鉄道は2006年に完成した、青海省の省都である西寧駅からチベット自治区のラサ駅までを結び、フフシルを眺めることができる路線。ここにはチベットカモシカの移動ルートと重なる場所に路線が置かれているものの、線路には動物用の通路が置かれているので、チベットカモシカへの配慮もされています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。