登録区分 | 登録基準 危機遺産2023年〜 |
文化遺産 | (2), (4) |
登録年 | 2023年 |
レバノン北部の港湾都市であるトリポリには、ブラジル人建築家のオスカー・ニーマイヤーによって設計された国際見本市があります。ブーメランのような形をした屋根などは個性溢れるデザインで、これら建築技術の大陸間交流が見られ、中近東の20世紀建築作品の一つ。
ここではトリポリのラシッド・カラミ国際見本市がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ラシッド・カラミ国際見本市について詳しくなること間違いなし!
トリポリのラシッド・カラミ国際見本市とは?
トリポリはレバノンでも第二の都市で、東地中海に面し、古くから港町として栄えてきました。ここは十字軍時代は、トリポリ伯国(1102〜1289年)の首都として、十字軍によって建設された要塞や修道院跡などが残っています。
町の中心部にある旧市街から港の間には、1962年にブラジル人建築家のオスカー・ニーマイヤーによって設計された国際見本市があります。ここは700平方mとの敷地に、750m×70mのブーメラン形をした屋根のホールを持つという独特のデザインを持ち、これは各国の展示スペースとなっているもの。これらは1960年代のレバノンの近代化施策であり、大陸間の交流が見られ、中近東の20世紀建築を代表するものでもあります。
トリポリのラシッド・カラミ国際見本市はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ラシッド・カラミ国際見本市が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
ラシッド・カラミ国際見本市は、オスカー・ニーマイヤーとレバノンのエンジニアと協力して建造したという大陸間交流の例であるという点。
登録基準(iv)
ラシッド・カラミ国際見本市は、その規模と造形のバリエーションの豊富さから、20世紀の中近東の建築物を代表する作品の一つであるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
トリポリはレバノン第2の規模を誇る都市だけあって、その近代化施策として建造された国際市は、南米出身のニーマイヤーの設計によって築かれ、中近東を代表する建築物の一つとなったという点で評価されています。
ちなみに、ブラジルの首都であるブラジリアの建築物は、彼が設計したモダニズム建築がいっぱい。よーく見てみると、ラシッド・カラミ国際見本市と似ている箇所も。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。