登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3),(4),(5) |
登録年 | 1995年 |
ルソン島北部にあるコルディリェーラは、少数民族・イフガオ族によって作られた棚田が多く並ぶ地。棚田は標高1000〜2000mの斜面に広がっていて、2000年にも渡って口承によって伝えられ、山岳地帯における持続可能な農業が行われてきたという点で評価されています。
ここではフィリピン・コルディリェーラの棚田群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コルディリェーラの棚田群について詳しくなること間違いなし!
フィリピン・コルディリェーラの棚田群とは?
ルソン島北部に位置するコルディリェーラは、標高1000〜2000mの山岳地帯で、ここには2000年の歴史を誇る棚田が広がっています。世界遺産に登録されているのは、パナウエ、マヨヤオ、キアンガン、ハンドゥアンの4箇所で、これらはすべてこの地に古くから住むイフガオ族によって作られたもの。
棚田は段丘に並ぶように配置されたり、蜘蛛の巣のような形状だったり、家々の中に点在していたり、円形劇場のように半円形の田んぼが並んでいたりと形はさまざま。ここは標高が高い上に耕作地も少なく、節をくり抜いた竹筒で山の上の湧き水を流すという灌漑システムを利用するため、ほとんどの作業は手作業で行われていました。今でも機械はほとんど使用されず、水牛を使う程度で、古来より続く田園風景が残るという点が特徴。
フィリピン・コルディリェーラの棚田群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
コルディリェーラの棚田群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
棚田は山頂から湧き水を利用し、プールのように棚田を作るという持続可能な稲作が続けられ、2000年以上も前から維持されてきたシステムであるという点。
登録基準(iv)
棚田は、1000以上もの農家によって維持され続けている「記念物」でもあり、天然資源を利用した景観を作り出しているということ。
登録基準(v)
棚田は、人々が自然環境との相互作用から生まれた土地利用の証でもあり、現在でもその美しい景観を残し続けているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
コルディリェーラの棚田群は、さまざまなタイプがありますが、ここは山岳民族のイフガオ族が2000年に渡って自然環境を利用して維持してきた稲作システムであり、現在でも変わらない風景を残しているという点で評価されています。
イフガオ族は、子供は「絶対に体罰を使わない」という伝統的な教育法で知られ、これはフィリピン社会においては実に珍しいもの。2000年もの伝統をずっと維持している彼らの生き方から現代人は学ぶことは多そうですね…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。