登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3) |
登録年 | 1985年 |
ノルウェー北部に位置するアルタには、海岸の壁面に紀元前4200年から紀元500年ころまで描かれた岩絵が6000点も残っています。ここには動物や幾何学模様など、先史時代の北極圏に住んだ人々の暮らしが見られるという点で貴重なもの。
ここではアルタの岩絵がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アルタの岩絵について詳しくなること間違いなし!
アルタの岩絵とは?
北極圏に位置するアルタフィヨルドの先端には45ヶ所もの岩絵が残っていてます。これらは1972年に発見され、紀元前4200年から紀元500年ころまでこの地に住む人々によって築かれたもの。最も古い岩絵は、高い位置にあり、これは先史時代に海岸線の隆起があったことを示しています。
岩絵は、花崗岩に輪郭線を刻んだ後、顔料で色をつけるという技法で作られていて、これは当時の北欧では広く分布していた技法でした。特にスウェーデンの南方に位置するターヌムの岩絵ともよく似ています。
絵柄は、トナカイやヘラジカ、クマ、クジラ、海鳥などの動物から、幾何学模様や狩猟、釣り、航海など、先史時代の人々の社会や儀式、踊りなどが分かるもの。ちなみに、古いものほど、狩猟をテーマにしたものが多く、新しい時代のものは、農耕や儀式などが見られます。
アルタの岩絵はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
アルタの岩絵が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
アルタの岩絵は、何千もの絵柄が残り、先史時代の北極圏の生活や環境、社会などが分かり、芸術性の高い絵柄は狩猟採集社会の長い伝統と環境の変化、シンボルと儀式の発展などが見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
アルタの岩絵は、その芸術性だけでなく、5000年近くも描かれ続けたため、狩猟から農耕に至るまでの北極圏の生活や環境などの変化が分かり、彼らの宗教観なども見られるという点で評価されています。
アルタは、人口1万人を超す都市のなかでも世界でも最北に位置する都市。実は永久凍土がない地で、北極圏でも夏は気温が高く、冬は嵐の影響も少ないため、暮らしやすいそう。現在でも人口も増えているということで、アルタの岩絵が描かれたのも、この地が暮らしやすかったというのが理由だったのかもしれませんね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。