登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (8) |
登録年 | 2016年 |
イランの南東に広がる広大な砂漠。ここは世界で最も暑い場所の一つとして知られ、6〜10月頃に風で堆積物が持ち込まれ、風食によってヤルダンという独特の地形を生み出しています。砂丘も含めて、砂漠の風景が変化する様子も見られるというのも特徴。
ここでは、ルート砂漠がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ルート砂漠について詳しくなること間違いなし!
ルート砂漠とは?
イラン南東部に広がる広大な砂漠で、長さ480km、幅320kmという広さを誇ります。「ルート」とは、ペルシャ語で「水がなく、草木が生えない土地」という意味。玄武岩の地形が広がり、太陽光を吸収するため、最高気温は70.7°Cを記録したことがあり、このエリアでは生物が住める環境ではないとされています。ルート砂漠は、世界で最も暑い場所の一つ。
6〜10月になると、長期に渡って風が堆積物を運んできます。この風によって大地が削られ、独特の地形が広がり、このエリアは「ヤルダン」と呼ばれます。ヤルダンは登録エリアの1/3を占めるほど。
風の影響で固い岩は削られ、その砂が堆積するというサイクルがあり、これによって高さが約475mにも達する砂丘が形成。ここは世界でも最大級の砂丘があるエリアでもあります。ルート砂漠は、三日月型や星型など、さまざまな形の砂丘が見られるの特徴。
ルート砂漠には小川が流入し、それが蒸発することによって、鉱物が形成され、塩の結晶なども見られます。
ルート砂漠はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ルート砂漠が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ルート砂漠は、印象的なヤルダンや砂丘など、途切れることのない変化が見られ、手つかずの自然が残るという点。
登録基準(viii)
風化によって形成されるヤルダンや姿を変える砂丘が見られることから、ここは侵食と堆積により現在も変化し続ける砂漠地形であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
世界でも最も暑い砂漠であるルート砂漠は、地獄のようなイメージですが、風が吹くことで形成されるヤルダンや世界でも最大級の砂丘など、風食と堆積によって絶え間なく変化する砂漠という点で評価されています。
一般的に「生命のない砂漠」と言われることもありますが、実は昆虫や動植物も僅かながら存在しているので、ちょっと言い過ぎな感じもしますね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。