セネガルの世界遺産「サルーム・デルタ」とは?世界遺産マニアが解説

  • URLをコピーしました!
登録区分文化遺産
登録基準(3), (4), (5)
登録年2011年

サルーム・デルタはセネガル南西部に位置し、3本の河川で形成された5000平方kmのエリアに200もの島々や汽水性の川、マングローブ林などで構成されるもの。ここには218箇所の貝塚が存在し、うち28は古墳のような埋葬地となっていて、ここからは埋葬にまつわる遺物も発掘され、西アフリカ海岸の人類の定住の歴史が見られるというのが特徴です。

ここではサルーム・デルタがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サルーム・デルタについて詳しくなること間違いなし!

目次

サルーム・デルタとは?

サルーム・デルタ
画像素材:shutterstock

サルーム川、ジョンボ川、バンジャラ川とその支流で構成されるサルーム・デルタは、総面積約5000平方kmの三角州です。ここは200を越える小島、マングローブ林、汽水性の河川が点在する場所で、古くから貝類や魚類を収穫しながら人々が生活を続けてきたという地。特に干し貝作りが多く行われていたため、バオバブの木々の中には貝塚が218箇所も残っていて定住を証明するもの。

貝塚は少なくとも紀元前4000年に遡り、28箇所は墳墓となっていてます。ここからは土器や葬祭にまつわる遺物が発見されていて、考古学的にも重要なもの。これらは16世紀まで建造が続けられ、収穫物の処理として築かれた貝塚と古墳群が点在するという文化的景観を形成しています。

サルーム・デルタはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

サルーム・デルタ
画像素材:shutterstock

サルーム・デルタが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
サルーム・デルタは、多数の貝塚、それに関連する景観、保存状態の良い古墳があり、これらは汽水が豊富な半乾燥地域の亜熱帯環境の中で、貝類や魚類などの採集が沿岸の人々の生活において重要であったということを示すという点。

登録基準(iv)
2000年にもわたる文化的発展を示す貝塚は、サルーム・デルタ内の小島と埋立地を物理的構造が形成され、西アフリカ沿岸に住む人々の定住の歴史を示す文化的景観が見られるということ。

登録基準(v)
サルーム・デルタは伝統的な人類の定住の例であり、不安定ではあるものの、生物多様性を持つ自然環境との相互作用の中で、貝の採集と漁業による持続可能な生活が見られるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

広大なサルーム・デルタは生物多様性でも有名ですが、湿地内に残る貝塚とその古墳は、乾燥地帯の亜熱帯環境の中で人々が古くから定住してきたという証拠を示し、持続可能な開発と生活様式が見られるという点で評価されています。

ちなみに、2005年には世界遺産の暫定リストに登録されたころは複合遺産での登録を目指していたものの、自然遺産としては渡り鳥の生活地であり、生物多様性が見られるという点で申請しましたが、世界遺産委員会では自然遺産としての価値は認められませんでした。生物多様性が見られる湿地帯はすでに多くの世界遺産で評価されていますからね…。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

目次