登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4) |
登録年 | 2019年 |
ポルトガル北部のブラガの町を見下ろすエスピーニョ山。ここの斜面にはキリスト教の聖地エルサレムをイメージした聖山(サクロ・モンテ)という聖域が建造され、十字架の道やキリストの受難を表した彫像があるボン・ジェズス教会などがあり、他にも美しい噴水や彫像、階段、庭園などが点在しています。
ここではブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域について詳しくなること間違いなし!
ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域とは?

ブラガはローマ時代からの歴史を誇り、古くから「リスボンは楽しみ、コインブラは学び、ポルトは働き、そしてブラガは祈りの町である」と呼ばれるほどに、多くの教会や修道院が並ぶポルトガルの聖地。街の東方にあるエスピーニョ山には聖地エルサレムをイメージした聖山(サクロ・モンテ)という聖域があります。これは16世紀のトリエント公会議以降に、ローマ・カトリックによって進められた聖山運動の一環であり、プロテスタントによる宗教改革に対抗するものでもありました。
ここは2つのエリアで構成されていて、山の西斜面に折り重なるバロック様式の階段は、イエス・キリストが十字架を背負ってゴルゴダの丘へ向かった場面を再現した「十字架の道」で、階段の上はイエス・キリストが復活した場面をイメージしています。最も高い位置にある「ボン・ジェズス教会」はキリストの受難をモチーフにした彫像があり、自然の中に教会や噴水、庭園、階段などが組み合わされた、文化的景観として登録されているもの。
ブラガのボン・ジェズス・ド・モンテ聖域はどんな理由で世界遺産に登録されているの?



ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域は文化的景観であり、イエス・キリストの受難の物語を示した聖山の優れた例で、ここは祭祀の具体化、一体感、表現力、永遠に尽きることのない人生などが見られ、ローマ・カトリックの世界観を表現しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ブラガは古くからの聖地であり、ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域は当時のローマ・カトリックの勢力を維持するために建造されたもので、聖地エルサレムにおけるイエス・キリストの苦難をこの地で建築物として表現し、ローマ・カトリックの世界を示しているという点で評価されています。
ちなみに、ブラガのあるミーニョ地方では「恋人たちのハンカチ」という伝統があり、男性が恋人である女性にハンカチを作ってもらい、それを身につけると婚約が成立するというもの。今ではその風習はほぼないですが、ハンカチはお土産として人気でデザインもさまざま。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。