登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (10) |
登録年 | 1983年(2008年拡大) |
ブルガリア北東部のスレパルナ自然保護区は、ドナウ川に隣接するスレパルナ湖を中心とした湿原地帯のこと。ここは約180種類の鳥類の繁殖地であり、ブルガリアに生息するほぼすべての鳥類が見られる地。敷地内には、絶滅が危惧されているニシハイイロペリカンも見られます。
ここではスレバルナ自然保護区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スレバルナ自然保護区について詳しくなること間違いなし!
スレバルナ自然保護区とは?
自然保護区はルーマニアの国境近くのシリストラ州にあり、ドナウ川沿岸のスレバルナ村の東側に広がるスレバルナ湖と湿地帯を含めた6平方kmもの敷地が世界遺産に登録。スレバルナ湖の名前の由来は、湖面が銀色に見えることから「銀の湖」という説が有名ですが、他にも人名が由来とする説もあったりとさまざま。
ここはドナウ川沿いのヨシを中心とした湿地帯に加え、川岸の浮島を含めた水域を含まれています。保護区では多くの鳥類の繁殖地であり、中継地にもなっているのが特徴。ブロンズトキやダイサギなど約100種類の鳥類の鳥類が生息していて、水鳥の理想的な保護区でもあります。特にブルガリアで唯一のニシハイイロペリカン(写真)の生息地であるという点でも有名。
危機遺産(危機にさらされている世界遺産)
農業のために堤防が設けられると、敷地内の水量が減り、さらに農薬の使用によって汚染が進み、1992年に危機遺産に登録。しかし、その後、保護活動が地道に行われ、2003年には除外されました。
スレバルナ自然保護区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
スレバルナ自然保護区が評価されたのが、以下の点。
登録基準(x)
スレバルナ自然保護区は、ブルガリアでかつて多く存在していた湿地帯を保護していて、多様な動植物を保護しています。ニシハイイロペリカだけでなく、コビトウ、メジロガモ、オジロワシ、ウズラクイナなど貴重種が見られ、マガンやハイイロガンなどが越冬する場所でもあり、そして絶滅危惧種のアオガンなども生息。ここでは全180種の鳥類が見られ、そのうち9種は絶滅危惧種になっているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
スレバルナ自然保護区は、ブルガリア随一の鳥類の繁殖地となっていて、ニシハイイロペリカンの営巣地であるということで有名ですが、絶滅危惧種も含めて渡り鳥や水鳥など約180種もの鳥類が生息しているという点で評価されています。
ちなみに、ルーマニアとブルガリアはドナウ川を国境としているのですが、どちらもEUであるのにもかかわらず、シェンゲン協定を結んでいないので、川を超えるのにはパスポートチェックが必要なのです。手ぶらでは国境を超えられないので注意しましょう(まぁ、海外ではパスポートは常に携帯しておくのがベストですが)。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。