登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (3) |
登録年 | 2006年 |
ガンビアとセネガルの2国に渡り、ガンビア川沿いの約350kmの範囲には4つの大きな環状列石群があります。ここは合計で93ものストーン・サークルがあり、これらは紀元前3世紀から紀元16世紀に建造されたもの。ストーン・サークルには墳墓も加えられており、高度な石工技術が見られ、ここには組織化した社会の存在を反映しています。
ここではセネガンビアの環状列石がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、セネガンビアの環状列石について詳しくなること間違いなし!
セネガンビアの環状列石とは?
現在ではセネガルとガンビアとは異なる国ではありますが、この地域はかつてセネガンビアと呼ばれていました。ガンビア川沿いには、1000を超える遺跡群が点在。その中でもガンビア川中流域の約350kmの範囲に4つの大きな環状列石群があり、93ものストーン・サークルが世界遺産に登録されています。そして、ストーン・サークルには陶器、鉄製の器具、装飾品など、当時の埋葬文化が見られます。1つのストーン・サークルは、鉄器によって8〜14もの同じ大きさに加工された、高さ4〜6mの円柱や多角形の柱で構成されるもの。これらは紀元前3世紀から紀元16世紀に建造され、高度に組織化した社会の存在を示しています。
セネガル側にある「シネ・ンガエネ」は、最大規模の遺跡。ここには52ものストーン・サークルで構成され、1102もの石柱があります。ここには115もの墳墓があり、「高貴なる戦士の墓」や「高貴なる女主人の墓」など、装飾品から身分の高い人物の墓も発掘。セネガル側のもう一つの遺跡「ワナル」には21のストーン・サークルが点在します。ガンビア側の「ワッス」は11のストーン・サークルがあり、最も高い石柱があることで知られ、「ケルバチ」は二重のものを含めて9つのストーン・サークルが存在。
セネガンビアの環状列石はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
セネガンビアの環状列石が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
セネガンビアの環状列石は、熟練された石工技術が見られ、ストーン・サークルの列石の大きさを調整するのに貢献しているという点。
登録基準(iii)
セネガンビアの環状列石は、ガンビア川沿いに多く存在し、1000年以上に渡って存在した独特の建築技術と葬送の文化が見られ、これらは高度で生産性の高い社会を反映しているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ガンビア沿いに点在する環状列石は、高度な石工技術が見られ、ここは1000年に渡って継続された記念碑的建築物と葬送文化の伝統を示す列石が残り、高度な社会組織が存在していたという点で評価されています。
ちなみに、かつてセネガルとガンビアは、もともと民族的には同じだったのですが、セネガルをフランス、ガンビアはイギリスが保護国としたために、それぞれが独自に独立し、一時期国家連合を形成したことがあったものの、10年も経たずに解消してしまいました。植民地としての歴史も長かったため、言語もフランス語と英語で違うということもあり、なかなかうまくいなかった様子。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。