登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1),(3),(4) |
登録年 | 1997年 |
サルディーニャ島には、紀元前2000年ころから石を積上げて作られた「ヌラーゲ」と呼ばれる要塞が点在し、それらは円筒や円錐状という独特な形状を持ちます。現在は7000ものヌラーゲがありますが、内陸のバルーミニ村にある「スー・ヌラージ・ディ・バルーミニ」は最大規模のもので、島のシンボル的存在。
ここではスー・ヌラージ・ディ・バルーミニがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スー・ヌラージ・ディ・バルーミニについて詳しくなること間違いなし!
スー・ヌラージ・ディ・バルーミニとは?
地中海に浮かぶサルデーニャ島には、ヌラーゲ(サルデーニャ語で「ヌラージ」)と呼ばれる石で積まれた要塞が7000も点在し、これは島特有のもの。ヌラーゲは、円筒や円錐状のような形状になっていて、当初はその場所に住む一族によって建造され、後に階層社会になると要塞となったとされています。
スー・ヌラージ・ディ・バルーミニは、島の内陸にあるバルーミニ村の郊外にあり、紀元前16世紀に建造されたもので、島最大規模のヌラーゲ。高さ18.5mもの円錐状の塔を持ち、螺旋階段で結ばれた3つの部屋で構成。周囲には防壁があり、塔を中心に円形の建造物がいくつも並んでいて、ここは住宅や作業場、台所などであったと考えられています。
ここは紀元前6世紀まで住んでいたものの、現在のチュニジアを中心とした国家カルタゴの侵攻によって放棄。しかし、カルタゴによって紀元前3世紀まで利用され続け、この際はいくつかの部屋も追加。これは以前とは違う建築様式で、現在は追加部分も合わせて残っています。
スー・ヌラージ・ディ・バルーミニはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
スー・ヌラージ・ディ・バルーミニが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
スー・ヌラージ・ディ・バルーミニは、島に残る先史時代の建造物の中でもほぼ完全に残っているという点。
登録基準(iii)
スー・ヌラージ・ディ・バルーミニは、サルディーニャ島の青銅器時代の文明が見られ、何世紀にも渡って島の共同体が発展してきたという証拠を残しているということ。
登録基準(iv)
スー・ヌラージ・ディ・バルーミニは、サルディーニャ島の青銅器時代中期から後期における、島の原材料を活用した革新的な技術や独自の防御構造、集落などが見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ヌラーゲの中でもスー・ヌラージ・ディ・バルーミニは状態が良く、ここには塔や防御構造、集落など、革新的な技術が見られ、先史時代の島の文明が今でも分かるという点で評価されています。
ちなみに、ヌラーゲ文化の人々は、実は民族的ルーツはほとんど分かっておらず、エジプトを侵略したことで有名な「海の民」であったのでは?という説もあるほど。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。