登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (3), (4), (6) |
登録年 | 2001年 |
ヴィクトリア湖畔にある首都カンパラの北西部に位置するブカンダ王国の王墓は、19世紀末に農耕民族ガンダ族の国家であったブカンダ王国のシンボル的存在。この地に残る王墓は「ムジブ・アザーラ・ムパンガ」と呼ばれ、かつては王宮として利用されたもので、4人の王をまつる墓は木材やワラ、アシ、漆喰などで作られていました。
ここではカスビのブガンダ歴代国王の墓がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ブガンダ歴代国王の墓について詳しくなること間違いなし!
カスビのブガンダ歴代国王の墓とは?
首都カンパラの北西部にあるカスビの丘には、かつてこの地で栄えたブカンダ王国の王墓が並ぶ地です。ブカンダ王国は、13世紀からヴィクトリア湖北西部に住んでいたとされる農耕民族ガンダ族の王国で、19世紀に諸国を統一し、1962年に独立したウガンダ共和国へと繋がっていきました。この丘の頂上には、ムテサ1世紀(1837〜1884年)によって1882年に王宮が建造。
1884年に彼が亡くなると、王宮は墓所として利用され、ここはその後も歴代の王が葬られ続けました。円錐型のドームを持つ「ムジブ・アザーラ・ムパンガ」には4つの王家の墓が置かれているもの。ここは木材やワラ、アシなどを組み合わせたもので、13世紀以来のブガンダ王国による伝統的な建築様式が見られ、周辺には王の家族などの墓もあります。ここは儀式が行われ、王国の宗教施設でもあったと考えられるもの。
危機遺産(危機にさらさせている世界遺産)
しかし、2010年に原因不明の火災が発生しムジブ・アザーラ・ムパンガを含めた王宮跡がほぼ消失。原因は政治による権力争いが背景にあったともされています。その後、危機遺産に登録されたものの、2023年に解除。
カスビのブガンダ歴代国王の墓はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ブガンダ歴代国王の墓が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
ブガンダ歴代国王の墓は、その構造などを含めて人類の創造的な傑作であるということ。
登録基準(iii)
ブガンダ歴代国王の墓は、ガンダ族の伝統文化がそのまま反映されているという点。
登録基準(iv)
ブガンダ歴代国王の墓は、ガンダ族の宮殿を利用しているだけに、その何百年に渡って磨かれてき伝統建築の技術が見られるということ。
登録基準(vi)
ブガンダ歴代国王の墓は、ガンダ族の伝統や歴史、精神的な側面において、彼らのシンボル的な存在として価値が高いという点。
世界遺産マニアの結論と感想
カスビの丘に位置するブカンダ歴代国王の墓は、かつての宮殿を改装して利用されてきたということもあり、この地に古くから住むガンダ族の伝統文化や建築技術が反映されたもので、伝統や精神面において、現在も生きる人々にとっても価値が高いという点で評価されています。
ちなみに、現在のウガンダ共和国の「ウガンダ」は、スワヒリ語で「ブガンダ」を意味するもの。ウガンダは最大の民族であるバンツー系のガンダ族が中心となった国であるため、この名が付けられていますが、小さな国家であるにもかかわらず、さまざまな民族が存在する多民族国家でもあるのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。