登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(9),(10) |
登録年 | 1993年(2009年拡張) |
フィリピン南西部、スールー海にあるトゥバタハ岩礁海中公園は、東南アジア最大級の珊瑚礁がある広大な海洋公園。ここは2つの岩礁を中心にドロップオフと呼ばれる断崖があり、絶滅危惧種のウミガメなどの生息地になっています。そして、マンタやチンチョウウオなど、約700種の魚類が生息。
ここではトゥバタハ岩礁海中公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、トゥバタハ岩礁海中公園について詳しくなること間違いなし!
トゥバタハ岩礁海中公園とは?
スールー海の中央部にある2つの岩礁を中心とした海洋公園で、岩礁の外側はドロップオフと呼ばれる断崖になっています。ここに約1000平方kmの敷地が登録されていて、3つの大きな珊瑚礁で構成。東南アジア最大級の珊瑚礁がある場所として有名です。
ここは360種以上の珊瑚が存在する豊かな海で、マンタやチンチョウウオなど、約700種の魚類が生息。他にも絶滅危惧種のウミガメやナポレオンフィッシュ(メガネモチノウオ)が見られ、そして海鳥の繁殖地にもなっています。
しかし、近年はダイナマイトを使用した漁が行われているため、珊瑚の生態系が壊されつつあり、政府は保護計画を進めています。
トゥバタハ岩礁海中公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
トゥバタハ岩礁海中公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
トゥバタハ岩礁海中公園は、クジラやウミガメなどの大型生物や、オニカマスやロウニンアジなどの遠洋魚の大群が見られ、多様な海洋生物が生息する珊瑚礁があるという点。
登録基準(ix)
トゥバタハ岩礁海中公園は、フィリピンでも最も古い生態系が見られる場所の一つで、珊瑚を住処とする生物が集まり、イタチザメやシュモクザメなどの捕食種が存在。ここはスールー海の海洋生物の繁殖、分散、定着の過程で重要な役割を果たしているという点。
登録基準(x)
トゥバタハ岩礁海中公園は、絶滅危惧種の海洋生物の生息地となっていて、フィリピンに生息するサンゴのほぼ90%に相当する360種が生息。そして、ウミガメやタイマイの繁殖地でもあり、ネムリブカの重要な生息地、さらに絶滅危惧種のシロハラグンカンドリも見られるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
トゥバタハ岩礁海中公園は、東南アジアでも最大級の珊瑚礁が存在することで知られ、珊瑚の種類が豊富で、さらに700種もの魚類や絶滅危惧種のウミガメやタイマイなど、貴重な海洋生物まで住む豊かな海域であるということ。
ちなみに、メガネモチノウオは、額がナポレオンの帽子に見えることから「ナポレオンフィッシュ」と名付けられましたが、日本人からすると目の周りのラインが黒く、メガネをかけているように見えるから「メガネモチノウオ」と名付けたということもあり、見る人によって見え方が変わるというのもまた面白いですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。