登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (5) |
登録年 | 2007年 |
ナミビア北西部に位置する岩絵群は、6000〜2000年前の先史時代に描かれたもので、ゾウやダチョウ、キリンなどがテーマとなっていて、2000箇所の岩面彫刻と岩絵が発見されています。その中には5本指のライオンや人間がライオンなどに変身する姿があったりと独特。近隣ではダチョウの卵を使ったビーズや装飾品などの遺物も発見されています。
ここではトゥウェイフルフォンテーンがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、トゥウェイフルフォンテーンについて詳しくなること間違いなし!
トゥウェイフルフォンテーンとは?
ナミビア北西部のクネネ州には、2000以上の岩面彫刻と岩絵が発見されています。これらは2000〜6000年前に描かれたもので、当時この地に住んでいた狩猟採集民の信仰や生活などが見られるというのが特徴。ここはアフリカ大陸でも最も数多くの岩絵が集中するエリアで、保存状態は良好です。
絵柄は、ゾウ、ダチョウ、キリン、シマウマ、サイなどを描いたものが多く、ダチョウ以外の鳥類や人物のデザインは少ないというもの。中には動物の足跡、5本指のライオン、人がライオンなどの動物に変身する姿「ライオンマン」など、不思議なデザインもあるのが独特。周辺の6箇所の洞窟からは、儀式で舞踏を行う人間を黄土を使用して描かれています。他にも一帯からは新石器時代の石の工芸品、ダチョウの卵を利用して作られたビーズ、岩の装飾品なども発掘。
しかし、10世紀になると岩絵が描かれなくなりました。原因は不明ですが、他のエリアから遊牧民が移り住んだという説もあり、さらには後の時代のヨーロッパの植民者の影響だともされています。
トゥウェイフルフォンテーンはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
トゥウェイフルフォンテーンが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
トゥウェイフルフォンテーンの岩面彫刻と岩絵は、少なくとも2000年以上に渡ってアフリカ南部の狩猟採集民の共同体に関する儀式の記録を残すものであるという点。
登録基準(v)
岩絵は、帯水層(地下水によって飽和している地層)に隣接するエリアにおける儀式と生活を反映していて、数千年にわたる狩猟採集民の発展が見られるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
トゥウェイフルフォンテーンに残る岩絵群は、先史時代のアフリカ南部の狩猟採集民の生活と儀式の様子が見られ、岩絵からは彼らの生活の発展が見られるという点で評価されています。
ちなみに、クネネ州に住むヒンバ族は「世界一美しい」とされる民族。かなり合理的な人々で、赤い土を身体に塗るという習性もあり、実はヒンバ族はまったくお風呂に入らないということでも有名。すごく臭いのでは?と思うのかもしれませんが、毎日2回ほどお香を焚いて消毒しているので、匂いが全くしないという。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。