登録区分(暫定リストに記載) | 自然遺産 |
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登録基準(暫定リストに記載) | (7), (10) |
申請年(暫定リストに記載) | 2021年 |
アラブ首長国連邦の東端にあるフジャイラ首長国の中でも約20%もの面積を誇るのがワディ・ウラヤ。渓谷沿いには湿地帯が広がっていて、乾燥地帯にも関わらず、国内で見られる動植物が多く見られるというのが特徴です。
ここではワディ・ウラヤがなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ワディ・ウラヤについて詳しくなること間違なし!
ワディ・ウラヤとは?
フジャイラ首長国は、オマーン湾に面していて、大部分は乾燥した山岳地帯になっています。ワディ・ウラヤ国立公園は、2009年に設立された保護区で、総面積は225平方kmと首長国の約20%以上を占める広大な保護区です。ワディとは「渓谷」を示す枯れ川のことで、泉や池、滝といった湿地帯が形成されることから、湿地を保護する国際条約であるラムサール条約にも登録されているほどに生物多様性が見られるのが特徴。
ここはアラブ首長国連邦で記録された動植物のうち、植物は30%、哺乳類は42%、爬虫類は30%、鳥類は26%が見られるというほど。特にアラブ首長国連邦では絶滅の危機に瀕している、ウシ科タール属のアラビアタールなども見られます。
ワディ・ウラヤはどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?
ワディ・ウラヤが評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ワディ・ウラヤ国立公園は、ここは国内でも集水域(しゅうすいいき、雨が降った雨が地表を流れ込む地)で、もともとは農業や牧畜などが行われていたものの、現在は動植物を保護するための保護区となっているという点。
登録基準(X)
ワディ・ウラヤ国立公園は、ワディには多くの動植物が見られ、絶滅危惧種であり、野生ではほぼ見られない、アラビアヒョウやアラビアタールなどが見られ、現在はアラビアタールの飼育プログラムも進行しているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ワディ・ウラヤは、小高い山岳が広がることから湿地帯が形成され、乾燥地帯であるにもかかわらず、動植物が豊かで、国内でもほぼ見られない絶滅危惧種の生息地であるという点で評価されています。
ちなみに、ワディ・ウラヤ国立公園の近くには、オマーンの飛び地である「マダ」という小さなエリアがあります。さらに、その中央にある「ナラ」というエリアは、フジャイラ首長国の西側にあるシャールジャ首長国の一部とされていて、飛び地内に2つの飛び地があるという非常に珍しいエリア。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。