パチャクテク(在位1438〜1471年)は、クスコ王国の9代目サパ・インカ(皇帝)であり、インカ帝国(1438〜1533年)の初代皇帝だった人物。帝国の拡大と制度改革を行ったパチャクテクとはどういった人物だったのでしょうか?
今回はパチャクテクがどんな人物だったかを世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、パチャクテクについて具体的に理解できること間違いなし!
パチャクテクとはどんな人物?

インカ帝国が成立する前は文字による記録がほぼないため、彼自身の記録というのは、ほぼ伝説のようなものであり、即位までの経緯も不明ではあるものの、彼は実在の人物とされています。1438年頃に即位し、クスコを中心とする小国家だったインカを大国へと成長させました。
その理由はさまざまですが、高山地帯という厳しい環境の中にある中央集権国家であったため、民は非常に統率が取れていて、周辺の民族を征服し、タワンティンスーユ(四つの地域を持つ国)と呼ばれる広大な領土を築きました。それまでクスコ周辺の小国であったクスコ王国を拡大した人物であり、南は現在のチリから北は現在のエクアドルまで拡大させた人物でもあります。
そして、彼はクスコを帝国の首都として整備し、壮大な都市計画を実行。太陽神インティを中心とした神殿を建設し、王権を強化していきました。
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クスコ大聖堂/ペルー



クスコ大聖堂は、ペルー東部・アンデス山脈にある大都市クスコは、かつてのインカ帝国の首都であり、街の中心部にあるアルマス広場に面したローマ・カトリックの大聖堂。
大聖堂の下には、パチャクテクによって築かれた宮殿がありました帝国が崩壊した後は、クスコでキリスト教を普及するため、神殿を破壊し、教会(現在のトリウンフォ教会)が建造されました。
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世界遺産マニアの結論と感想
パチャクテクの活躍によって、インカ帝国は南米でも最大の帝国となり、スペインによる征服(1530年代)まで繁栄を続けました。それもあり、彼は「アンデスのナポレオン」とも呼ばれ、インカ帝国のルーツともいえる存在であり、偉大な皇帝はその後も伝説として現在まで語り続けられています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。