古墳というと、前方後円墳のイメージが強いと思いますが、実はすべての古墳がこのような形状ではないのです。古墳はその数だけでも16万基以上!形状や規模、構造によっていくつかの種類に分類されます。
今回は古墳の種類を世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、意外にも奥深い古墳の形状について具体的に理解できること間違いなし!
1.前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)

まずは古墳というとコレ!前方部(四角形)と後円部(円形)から構成鍵穴型の形状が特徴です。どれも比較的規模が大きく、王や豪族など権力者の墓として使用されています。
建造された時期としては長く、3世紀末~7世紀頃であり、大阪府の仁徳天皇陵(大仙陵古墳)の面積は国内で1位であり、世界にも誇る墳墓でもあります。
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2. 前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)



前方後円墳とは異なり、前方部と後方部が共に四角形という形状の古墳。全国各地に点在していて、合計で約500基ほど発見されています。時代の分布としてはさまざまで、これらは前方後円墳と同様に権力者の墓として利用されていました。
しかし、なぜ日本では前方後円墳のほうが多いのかは今でも不明。東国で前方後円墳と前方後方墳が共存していることからランク付けという説もあったり、邪馬台国が支配する前のエリアは前方後方墳が多くあるという説もあります。
3. 円墳(えんぷん)



円形のシンプルな古墳。全国でも古墳といえばこれが非常に多く、小規模~中規模の古墳で見られ、各地に多数存在しています。 時期としては、古墳時代を通じて建造。
高松塚古墳やキトラ古墳など、飛鳥時代の古墳もこのカテゴリーに入っていて、内部の装飾が優れている古墳も存在します。
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4. 方墳(ほうふん)



四角形の墳丘を持つ古墳。 円墳よりも数は少ないものの、これも小規模~中規模の古墳に多く、各地に多数存在しています。とはいえ、比較的大型の方墳もあり、天皇陵とされているものも。権力者だけでなく、地方豪族の墓にも利用されていました。
そして、有名な石舞台古墳は、崩壊してしまっていますが、もともと方墳であったと考えられています。
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5. 帆立貝形古墳(ほたてがいけいこふん)



円丘に小さな方形の張り出しが加わった古墳。大型のものはなく、前方後円墳と比較すると小型であり、方形は祭祀の場として利用されたとされます。
これはもともと円形に方形が加えられたものと、前方後円墳の前方部分が何かしらの理由で削られて縮小したものもあります。とはいえ、なぜ大型の古墳がないのか、不明であるものの、古墳時代の中期から後期に渡って見られる古墳。特に仁徳天皇陵周辺の陪冢(ばいづか)には、このタイプが多いですね。
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6、八角墳(はっかくふん)



八角形の墳丘を持つ珍しい形式。古墳時代の末期に現れるようになったもので、特に天皇陵で多く見られるもの。他の古墳に比べて小規模なものが多いものの、石室を持つことが多く、丁寧に築造されているのが特徴。
代表的なものは、奈良県の明日香村にある、斉明天皇の陵墓とされている「牛子塚古墳(けんごしづかこふん)」、「野口王墓(現天武・持統陵)」、一般に文武天皇陵と考えられてい「中尾山古墳」などが有名。
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世界遺産マニアの結論と感想
ここでは代表的なものを紹介しましたが、他にも2つの円墳が連結した「双円墳(そうえんふん)」や小さな古墳が集まる「群集墳」などが見られ、形状はさまざま。中には人物が祀られていないと考えられているものもあり、ひとくちに古墳といったもさまざまなタイプがあるのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。