東京タワーは、日本有数の観光地で世界遺産に登録されていると思いきや…実は世界遺産じゃないんです。これだけ有名な観光地なのになぜ?
ここでは東京タワーが、なぜ世界遺産でないのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、東京タワーについて詳しくなること間違なし!
東京タワーとは?
正式名称は「日本電波塔」。港区の芝公園にある高さ333mの電波塔で、1958年の完成当時は日本で一番高い建造物でした。東京タワーが完成する前は、東京には高さ100m以上の電波塔が乱立していていたため、それらを集約し、都市景観を美しくするという目的があったもの。東京タワーのデザインは、パリのエッフェル塔から着想したものでありますが、エッフェル塔は現在330mのため、少しだけ東京タワーのほうが高いのです。
塔は三角形を基本単位としてその集合体であるトラス構造となっているのが特徴で、塗装はインターナショナルオレンジとなっているものの、5年に一回ほど塗り足しているため、色褪せないようになっています。メインデッキ(旧・大展望台)は地上120mの高さにあり、さまざまなアトラクションがあるエンタメ性の高いもので、トップデッキ(旧・特別展望台) は地上223.55mに位置していて絶景が満喫できるもの。
東京タワーはなぜ世界遺産として登録されないの?
東京タワーは観光客には人気のあるスポットではありますが、世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在の日本の暫定リストには東京タワーが記載されていないため…残念ながら世界遺産になる可能性は今のところ0%。そもそも東京タワーは1958年建造と、歴史としては半世紀程度のもので、日本人には特別ですが、エッフェル塔のように似たような電波塔は世界各地にあり、そのオリジナル性があまりない…というのも推薦されていない理由の一つと考えられます。
東京タワーは世界遺産でないのに、パリのエッフェル塔は世界遺産となっている
東京タワーに影響を与えたエッフェル塔は、1991年に「パリのセーヌ河岸」として世界遺産に登録されました。セーヌ川沿いに位置するパリのシンボル的で、1889年のパリ万博の目玉として、建築家ギュスターヴ・エッフェル(1832〜1923年)によって設計されたもの。当時としては最先端であり、炭素の含有量が少ない鉄である「錬鉄」を素材として使用しています。
エレベーターは1889年から存在していて、基本構造は当時のまま残されているのが特徴。
詳細はこちら↓
世界遺産マニアの結論と感想
残念ながら東京タワーは世界遺産ではありません…。それにはさまざまな理由があるとは思いますが、「産業遺産」とするのにはまだそれほど歴史があるものではないですし、モチーフにしたエッフェル塔は既に世界遺産なので、似たような東京タワーが今後世界遺産になる可能性は低いと思われます。しかし、昨今は産業遺産なども積極的に世界遺産に推薦される傾向もあり、他の日本の近代建築(東京駅など)と組み合わせて、いつかは世界遺産になるかもですね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。