登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1),(2),(3) |
登録年 | 1997年 |
シチリア島の中央部には4世紀ころに建造されたローマ人の別荘跡があり、ここはヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレと呼ばれ、20世紀に発掘されたもの。40以上の部屋と床には豪華なモザイク装飾が置かれ、特に馬車や猛獣狩り、ビキニの姿の女性まで世俗的なものをモチーフにしたモザイクがユニーク。
ここではヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレについて詳しくなること間違いなし!
ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレとは?
シチリア島中央部にあるエンナ県は丘陵地帯となっていて、ここはローマ帝国時代は貴族による農園(ラティフンディア)があったとされています。ここの地には貴族たちによってヴィッラ(別荘)が多く建造され、ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレはその中でも保存状態が良いもの。
ここは4世紀に建造され、32本もコリント式の柱廊が並ぶ大広間を中心に40以上も部屋があり、そこには浴場や応接間、バシリカなどがあり、ローマ時代以降もビザンツ帝国やアラブの時代になっても利用されていたと考えられています。
しかし、12世紀には放棄され、ここに住んでいた住民は近郊のピアッツァ・アルメリーナに移動し、建物は土に埋もれていました。そして、20世紀後半から本格的な発掘がされ、美しい壁画が多く発見。ここで見つかったものは、馬車の競争や猛獣狩り、「10貴婦人の間」で描かれたビキニ姿の女性など、世俗的なものがモチーフにされているのが特徴です。
ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
登録基準(ii)
登録基準(iii)
ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレは、古代ローマ時代の豪華な別荘建築の傑作であると共に、これは当時の社会構造などが分かり、モザイクは当時の芸術的な価値や技法などが見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレは、ローマ時代の農園経営者の別荘であり、美しいモザイクからは当時の技法などが見られる、別荘建築の傑作であるという点で評価されています。
ちなみに「ビキニ」というのは世界遺産に登録されたビキニ鑑賞から由来しているので、20世紀に命名されたものですが、ある意味、ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレのモザイクは、人類史上初のビキニ(のような服)を着た女性を描いたものではありますね。ま、これが水着なのか下着なのかは不明ですが。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。