スペインの世界遺産「バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダ」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1), (4)
登録年1996年

スペイン東部の港湾都市であるバレンシアには、1482年から建造が始まった絹の商品取引所があります。ここは建築家ペレ・コムプテによって設計され、特に「柱のサロン」と呼ばれるエリアは、15〜16世紀の地中海の商業の中心地であり、後期ゴシック建築の傑作。

ここではバレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ラ・ロンハ・デ・ラ・セダについて詳しくなること間違いなし!

目次

バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダとは?

バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダ
画像素材:shutterstock

バレンシアは、イベリア半島でも最大の港を持つ港湾都市で、新大陸が発見されるまではスペインの地中海側における随一の経済の中心地でした。ラ・ロンハ・デ・ラ・セダとは、「絹の取引所」という意味で、ここは1482年から1498年まで、ペレ・コムプテといった建築家たちによって建造。ロンハは塔を隔てて「海の領事の広間」と「柱のサロン」の2つに分かれていて、中庭には「オレンジの木の中庭」が配置されました。

特に柱のサロンは、後期ゴシック様式の重厚な造りとなっていて、16mもの螺旋状の柱が、イタリア産の大理石の上に配置されていることから、この名が付けられました。まるで柱はヤシの木のように見え、楽園を表現したものとされています。サロンには金融機関が運用する交換所が置かれていて、地中海における商業活動には欠かせない場所でもありました。

他にもペレ・コムプテの代表作である塔、16世紀建造の商業裁判所の役割もあった「海の領事の広間」は、2階建てになっていて、ファサードは40人ものメダリオン(円形浮き彫り)が見られるゴシック建築。これらは建築分野の発展によって生まれた、15世紀の新しい建築様式として評価されています。

バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダ
画像素材:shutterstock

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダが評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、ヨーロッパのゴシック建築の傑作であり、当時開発された独自の建築様式が見られる取引所であるという点。

登録基準(iv)
ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、後期ゴシック様式の優れた世俗的な建造物であり、地中海で繁栄した偉大な商業都市の富を示すものであるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

ラ・ロンハ・デ・ラ・セダは、地中海の交易で繁栄したバレンシアでも最盛期に作られた取引所である、ここは富の象徴として豪華な建造物となり、ゴシック様式の傑作であるという点で評価されています。

ちなみに、バレンシアはオレンジの産地としても有名ではありますが、一般的な「バレンシアオレンジ」はアメリカのカリフォルニア州で開発されたもの。まぁ、スイートオレンジはスペイン人によってアメリカ大陸に持ち込まれたので、ある意味ルーツではあるのですが…。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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