登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3),(4),(5) |
登録年 | 1980年(2010年拡大) |
ノルウェー中部の北極圏の近くにあるレーロースは17世紀に発見された銅鉱山を中心に築かれた鉱山街。1977年に鉱山は閉鎖したものの、17世紀当時の木造の建築群が現在も200近くも残っていて、18世紀に石造りで建造された白い聖堂には労働者のシンボルであるハンマーが描かれています。
ここではレーロースの鉱山街とその周辺がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、レーロースについて詳しくなること間違いなし!
レーロースの鉱山街とその周辺とは?
ノルウェー中部のトロンデラーグ地方にあるレーロースは、標高630mの高原に位置しています。ここは17世紀に銅鉱山が発見され、労働者たちが集まって街を設立。しかし、その後スウェーデン軍に攻撃され、街は廃墟に。やがて再建されるも、当時の木造の建造物は厳しい自然環境の中にあったため質素な構造でした。ここは森林も少ないエリアではあるものの、周囲には農場なども造られ、自給自足の生活を行われていました。
街の中心には17世紀に建造され、18世紀にこの街で唯一の石造りの建築物として再建された白い聖堂があり。ここには労働者のシンボルであるハンマーが描かれています。街から南東に位置する細長いフェームンデン湖には、かつて街の人々に利用していた精錬所や水利施設の遺構も残っていて、ここは周囲を含めた文化的景観として登録されているのが特徴。
レーロースの鉱山街とその周辺はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
レーロースが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
17世紀にレーロースの銅鉱石が発見されてから1977年に閉山するまで、ここはドイツの採掘技術を取り入れ、ノルウェー人だけでなく、ドイツ、デンマーク、スウェーデンから移民を受け入れて街が設立され、鉱山町だけでなく、採掘所や精錬所、水利施設の跡など、自然環境に適応しつつ磨かれた独自の技術が見られるという点。
登録基準(iv)
レーロースの鉱山街とその周辺は、厳しい自然環境のなかで住む人たちが周辺の資源を利用して、建築物と設備を発展させ、採掘と農業を組み合わせて生活を続けてきたノウハウを示すということ。
登録基準(v)
レーロースの鉱山街とその周辺は、過酷な気候のなかで鉱山を中心とした人々が暮らしてきたという独特の文化的景観が見られ、伝統的な集落と土地利用の優れた例であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
レーロースの鉱山街は、鉱山を中心に北欧各地から人々が集まり、ノルウェーの厳しい環境の中で周囲の資源を使用して木造の建築物や設備を造り上げ、採掘と農業を続けながら独自の暮らしを続けてきたという点で評価されています。
ちなみに、レーロースは2月下旬に冬のマーケットが開かれ、その時期は多くの出店が並ぶのですが、なんと北欧のこの地に毎年7万人も集まるということで、この地方でも最大級のイベントになっています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。