登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (8) |
登録年 | 2000年 |
アルゼンチン北東部に位置するイスキグアラスト州立公園とタランパヤ国立公園は、砂漠地帯が広がっていて、中生代の三畳紀(約2億5190万年前〜2億130万年前)に生息していた恐竜や哺乳類、魚類、植物などのさまざまな祖先のほぼ完璧な化石が多く発見されていて、これらは古代生物の進化を示すもの。
ここではイスキグアラスト/タランパヤ自然公園群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、イスキグアラスト/タランパヤ自然公園群について詳しくなること間違いなし!
イスキグアラスト/タランパヤ自然公園群とは?
イスキグアラスト州立公園
チリ国境に面したサンフアン州の北東部に位置する約604平方kmにも及ぶ公園。ここには「イスキグアラスト累層」と呼ばれる三畳紀後期の地層が存在し、世界でも最古級の爬虫類が発見されていて、そして、原始的な恐竜である「エオラプトル」の化石も発掘。これらの古代生物が恐竜や哺乳類へと進化した過程が見られるという点で貴重です。
イスキグアラスト累層の周辺に広がる荒涼地帯はまるで月のような景観が続き「月の谷」と呼ばれるもの。ここは三畳紀後期には川が流れるという緑が広がるエリアで、樹木やシダ類、トクサ類の化石も発見されています。
タランパヤ国立公園
イスキグアラスト州立公園の北部にあり、ラ・リオハ州の中西部に位置する総面積2150平方kmの公園。ここは山脈に挟まれた盆地で、砂漠気候のため寒暖差が激しいエリア。高さ200mにも達する赤い砂岩の断崖や奇岩などが有名。ここにもイスチグアラスト累層が続いています。
イスキグアラスト/タランパヤ自然公園群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
イスキグアラスト/タランパヤ自然公園群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(viii)
イスキグアラスト/タランパヤ自然公園群は、三畳紀のほぼ完璧な化石を含む堆積物の地層が見られ、後の「恐竜の時代」を迎える以前の生物の進化を示すもの。これらは魚類、爬虫類、両生類、原始的な恐竜・エオラプトルを含む化石だけでなく、100種の植物の化石まで見られ、三畳紀初期の哺乳類の祖先から恐竜の時代まで、生物の歴史が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
イスキグアラスト州立公園とタランパヤ国立公園からは三畳紀のさまざまな生物の化石が発見され、これらは原始的な恐竜や哺乳類の進化を示し、後の恐竜が拡大する時代の原点であるという点で評価されています。
ちなみに、エオラプトルは原始的な恐竜の黎明期に登場したこともあり、学名は「夜明けの泥棒」という意味を持ちます。まぁ、中生代のジュラ紀や白亜紀は他の生物を出し抜いて、恐竜が進化・拡大したわけですが、ある意味「泥棒」とも言えなくはないかなーと。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。