登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (6) |
登録年 | 2016年 |
中国南西部にある左江花山(さこうかざん)は、紀元前5世紀から紀元2世紀にかけて38箇所に岩絵が描かれています。これは現在この地に暮らすチワン族の祖先である雒越(らくえつ)人によって描かれたもの。特に銅鼓を演奏している人々が描かれていて、彼らの文化を渓谷の中で伝えているという点で評価されています。
ここでは左江花山の岩絵の文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、左江花山の岩絵について詳しくなること間違いなし!
左江花山の岩絵の文化的景観とは?
中国南西部にあり、ベトナムとの国境沿いに位置する広西チワン族自治区の崇左(すうさ)市には、カルスト地形の断崖があり、そこに描かれた岩絵群を含めて左江花山と呼ばれます。左江と支流である明江という曲がりくねった川沿いにカルスト地形の断崖が続き、ここは紀元前5世紀から紀元2世紀にかけて、現在この地に住むチワン族の祖先である雒越人によって岩絵が作られ、岩絵には彼らの当時の生活と儀式の様子が見られます。
岩絵は130mの高さに描かれたものもあり、中には横幅が170m、縦幅が40mという範囲に1900もの絵柄が詰められていたりと、中国でも最大規模の岩絵でもあります。これらはかつて中国南部や東南アジアで流行していたとされる、祭礼の際に使用された銅鼓が描いていて、ここは彼らの文化を伝える文化的景観が見られるのも特徴。登録範囲としては、3つのグループに分かれ、38箇所にも渡って岩絵が点在しています。
左江花山の岩絵の文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
左江花山の岩絵が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
左江花山の岩絵の文化的景観は、風景と岩絵が組み合わされ、紀元前5世紀から紀元2世紀に渡って左江沿いに住んでいた雒越の人々の文化や生活を現代までに伝えるものであるという点。
登録基準(vi)
左江花山の岩絵には銅鼓を描いたものもあり、この地域でかつて広まっていた銅鼓の文化と関連していて、これは現在でも中国南部でも「力」の象徴となっているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
左江花山の岩絵は、現在のチワン族の先祖によって描かれ、彼らの文化を伝えるものであり、ここに描かれた銅鼓は今でも中国南部でシンボルともなっているという点で評価されています。
ちなみに、世界遺産のある崇左市の龍州県の「板池」という集落は、仙女のような美しい女性が多いという歌があり、「美人村」とも呼ばれます。その理由は、地下鉱泉水を毎日飲んでいて、これを飲むと肌が綺麗になり、長寿になるとか。…科学的根拠があるかどうかは不明ですけどね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。