ルーマニアの世界遺産「ロシア・モンタナの鉱山景観」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (3), (4)
登録年2020年

ロシア・モンタナは、ルーマニア西部のアプセニ山脈にあるローマ時代の金鉱山跡。ここは2世紀から166年に渡って約500トンの金が発掘され、ローマ時代の採掘施設が残る地です。ローマ最大の鉱山でもありましたが、ロシア・モンタナではなんと21世紀まで鉱山で採掘が続けられました。

ここではロシア・モンタナの鉱山景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ロシア・モンタナの鉱山景観について詳しくなること間違なし!

目次

ロシア・モンタナの鉱山景観とは?

画像素材:shutterstock

ルーマニア西部のアルバ県は、世界最大のローマ時代の金鉱山施設が残る場所。かつてこの地がダキア属州と呼ばれていた時代、ローマ帝国がこの地を2〜3世紀にかけて支配していました。

ルーマニア中央部に広がるアプセニ山脈は、鉱物資源が豊富で、現在のスペインの金鉱山の採掘が枯渇しつつあったことから、当時の皇帝トラヤヌスはこの地方の鉱物資源を狙っていたという背景もあります。その狙いは当たり、この地を獲得すると166年に渡って約500トンの金が発掘。

金が発掘された4つの山にそれぞれ坑道が築かれ、長さは約7kmにも渡るほど。ここは排水用に踏み車を利用するという高度な技術が見られ、台形に削られた部屋や螺旋状のシャフトなどは、ロシアモンタナ特有のものであり、鉱業史においては先駆的な存在でもあります。

ここでは多くの蝋板(木製のタブレットをワックスで覆った古代のメモ帳)が発見。鉱山の周囲には居住区、聖域、墳墓群、鉱石処理工房など、考古学遺跡が点在して、当時のローマ人の暮らしも分かるという点で貴重なものでもあります。その後、中世から近代、そして2006年まで鉱業は続けられ、このエリアの主要な産業でもありました。

ロシア・モンタナの鉱山景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

ロシア・モンタナが評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
ロシア・モンタナの鉱山景観は、ローマ時代の地下に広がる鉱山であり、ここはバルカン半島の西部に住むイリュリア人によって開発された革新的な技術が見られ、価値の交流を示すという点。

登録基準(iii)
ロシア・モンタナの鉱山景観は、18〜19世紀に発見された蝋板によって、帝国の辺境に暮らすローマ人によって設立されたヨーロッパで最も古い鉱山町の文化が見られるということ。

登録基準(iv)
ロシア・モンタナの鉱山景観は、ローマ帝国による貴金属採掘の管理と発展を示していて、帝国の繁栄と軍事力には不可欠なものであったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

ロシア・モンタナは、豊富な鉱物資源があることからローマ時代に鉱業で栄えた地であり、帝国内から技術者が集まって鉱山町が築かれ、ローマ最大の金鉱山の跡が今でも見られるという点で評価されています。ここで発掘される鉱物がローマ帝国の財政を支えるほどになっていったという点もポイント。

ローマ時代の鉱山というと、スペイン北西部に残るラス・メドゥラスのイメージがありますが、あちらは水路を作って砂金を採るという大胆なもの。ラス・メドゥラスは、3世紀には枯渇してしまい、放棄されて遺跡となりましたが、こちらは2006年まで使用されていたという点でも…地味にスゴイですね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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