登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (4), (6) |
登録年 | 2019年 |
ミャンマーの中央部、世界三大仏教遺跡のひとつであるバガンは、11〜13世紀にパガン朝の都であった場所。ここには3000以上もの仏塔(パゴダ)が残っていて、仏教が国において強い影響力があったという証拠になっています。仏塔をはじめ、寺院、僧院、巡礼者用の施設、フレスコ画、彫刻、遺跡など、8つの遺産で構成。
ここでは、バガン(パガン)がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、バガン(パガン)について詳しくなること間違いなし!
バガン(パガン)とは?世界三大仏教遺跡の一つ
バガンは、ミャンマーの首都ネピドーがあるマンダレー地方域にある仏教遺跡。ここは3000以上もの仏塔が並ぶ、仏教建築の集合体で、カンボジアのアンコール・ワット、インドネシアのボロブドゥールと並ぶ世界三大仏教遺跡の一つとされています。この地は、11〜13世紀に栄えたパガン朝の都であった場所で、エーヤワディー川の輸送を支配し、水運の独占によって広大な地域を治めた国家でした。
バガン朝の初代の王・アノーヤター(1044〜1077年)は上座仏教を国教に指定。13世紀に最盛期を迎え、仏塔も多く作られるにように。これだけ仏塔が造られたのも、バガン朝が仏教によって国をコントロールしたという証拠にもなっています。
50平方kmを越える広大な遺跡で多くの仏塔があるのは、エーヤワディー川の東側。遺跡はおもに8つの遺産で構成されていて、仏塔、寺院、僧院、巡礼者用の施設、フレスコ画、彫刻、遺跡など、幅広いのが特徴です。13世紀にパガン朝は衰退し、滅んでしまいますが、この地は上座仏教の聖地として今でも人々の祈りの場として存在しているという点も評価。
登録されている主な構成資産
アーナンダー寺院
1090年に建造された上座仏教の寺院。第3代のチャンズィッター王(1030〜1113年)によって建造され、バガンでも最も美しい装飾が施された寺院として有名です。内部には東西南北それぞれの方向に仏像が配置されているのですが、どれも金が施されており、豪華絢爛。
シュエズィーゴン・パゴダ
黄金に輝くパゴタとして有名で、初代アノーヤター王によって1059〜1060年に建造が始まり、1102年に完成。この地は地震が多い地で仏塔も何度も崩壊し、その度に修復されましたが、このパゴダも同じで、最後に大きく修復されたのは18世紀末。このパゴダのスタイルが、ビルマ式パゴダの原型になったというほどに重要なパゴダです。
シュエサンドー・パゴダ
初代のアノーヤターによって1057年に築かれた仏塔。約100mの高さを誇り、塔には本生譚(ジャータカ)という釈迦が生まれる前の物語がテラコッタで描かれています。
バガン(パガン)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
バガン(パガン)が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
バガンは仏教の聖地であり、11〜13世紀のバガン朝の首都として栄えていたことを証明するものであるという点。
登録基準(iv)
バガンは、世界でも早い段階で成立した仏教王朝であり、アジア各地で見られる仏教建築に比べても秀逸で独特なものであるということ。
登録基準(vi)
ここに住む人々により仏塔や僧院などは保存され、今でも上座仏教の信仰が生き続けている地であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
バガンは、11〜13紀に栄えたバガン朝の繁栄を示す仏教遺跡であり、仏教で国をコントロールしただけあり、3000も越える仏塔が点在するという、他のアジアの仏教建築には見られないユニークな景観が残っています。そして、地震が多い地にもかかわらず、人々は仏塔を修復しながら使用し続け、聖地として現在も維持しているという点もポイント。
ちなみに、パゴダは外国人が勝手にそう呼んでいるだけで、現地では全く通じないので注意。ちなみに、パゴダを作るのはミャンマーの人々にとっては「最大の功徳」とされています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。