ギリシャの世界遺産「ザゴリの文化的景観」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(5)
登録年2023年

ギリシャ北西部のザゴリは、最高峰は標高2637mというピンドス山脈を含む高山地域。ここは古くから孤立した地で、ヨーロッパで数少ないブナ林が残されています。そして、オスマン帝国時代になると、兵士や商人として出稼ぎによる富によって集落は繁栄し、教会や邸宅、橋などの優れた建物を多く建造しました。

ここではザゴリの文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ザゴリの文化的景観について詳しくなること間違いなし!

目次

ザゴリの文化的景観とは?

ザゴリの文化的景観
画像素材:shutterstock

ザゴリは、ギリシャ北西部のピンドス山脈の周囲に位置する高山地域。ここは古くからアクセスが困難な地ではあるものの、旧石器時代から人々が暮らしていました。「ザゴリ」という地名は、スラブ語の「山の向こう」から由来するとされ、ビザンツ帝国時代から集落はありましたが、現在見られる村は、ほとんどがオスマン帝国時代に設立された集落。その時代は、若者はスィパーヒー(常備軍騎兵)として、首都のイスタンブールに送られる代わりに自治権を与えられました。

ザゴリの文化的景観
画像素材:shutterstock

もともとは農業できる土地がほとんどなく、牧畜や林業でしか生計を立てられないものの、ザゴリの人々は各地へと商業をすることによって地元へと融資され、教会や橋、学校、噴水など、この時代は他の地域と比べて、比較的豊かな生活を送ることが可能でした。教会は17〜18世紀に建造されたものが今も残っていて、スレートで覆われた木製の屋根を持つというのが特徴。住宅の屋根は雪に備えて、石灰や砂岩で築かれていましたが、18世紀になると多層建てのものになり、中庭や庭園を持つ裕福な家々が築かれましたが、ほとんど残っていません。

18〜19世紀には、地元の職人たちによって、ザゴリ各地にアーチ側の石橋が築かれました。これはザゴリの人々の暮らしに必需品であったもので今でも残っています。

ザゴリの文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ザゴリの文化的景観
画像素材:shutterstock

ザゴリの文化的景観が評価されたのが、以下の点。

登録基準(v)
ザゴリの伝統的な村は広場を中心に築かれ、地元の人々によって維持されている神聖な森に囲まれていて、山の地形に適応した伝統的な建築物が残されています。各村を結ぶ石造のアーチ型の橋、石畳の小道、石の階段など、川沿いの共同体を結ぶ社会的インフラとして整備されているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ザゴリはピンドス山脈沿いに位置するため、古来から人を寄せ付けない高山地域でもありました。古来からバルカン半島の山岳地帯に暮らす人々の暮らしが伝統として残っていて、それらは建築物やインフラなどから現在でも見られるというのもポイント。

ちなみに、この地域に住むヴラフ人は、民族的には現在のルーマニア人と同じで、「ダコ=ルーマニア人(ダキアのルーマニア人)」とも呼ばれます。つまり、ギリシャに住むルーマニア人でもあるのですが、こちらは「アルーマニア人」としていて、言語もルーマニア語とよく似ているアルーマニア語を話します。アルーマニア人は、ブルガリアやマケドニア、アルバニアにもコミュニティを持つことから、バルカン半島の複雑な歴史を象徴していますね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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