ナイジェリアの世界遺産「オシュン=オショグボの聖なる木立」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (3), (6)
登録年2005年

ナイジェリア南西部にあるオショグボ市の郊外には、オシュン川によって形成された密林地帯が残り、ここに住むヨルバ族の神々の一人、オシュン神の住処としてされてきました。ここは古くからオシュン神を祀る聖域があり、そこにはオブジェのような祭壇や20世紀に建造された彫刻など、ヨルバ族のアイデンティティが残る場所。

ここではオシュン=オショグボの聖なる木立がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、オショグボの聖なる木立について詳しくなること間違いなし!

目次

オシュン=オショグボの聖なる木立とは?

オシュン=オショグボの聖なる木立
画像素材:shutterstock

ナイジェリア南西部のオシュン州の州都オショグボ。ここは古くから西アフリカでも最大の民族集団であるヨルバ族が暮らす地で、オショグボの郊外には多くの神聖な森があり、現在でも崇拝されています。森の中を曲がるように流れるオシュン川は、ヨルバ族の神々の一つ、女神オシュンが暮らす場所とされ、ここにはオシュンだけでなく、他の神々を崇拝するための5つの聖域や9つの礼拝所、宮殿などが築かれました。

森の聖域には、40もの祭壇が残っていていて、これらは樹木や石、泥、鉄などの素材を使用して建造されたオブジェのようなもの。しかし、20世紀後半になるとオシュンへの信仰が一旦衰退・放置されましたが、オーストリア人の女性芸術家スーザン・ヴェンゲルによって40年の時をかけて修復、そして、新たな彫刻が制作。やがてここは世界各地に離散したヨルバ族のアイデンティティとなりました。毎年7〜8月にここで祭りが開かれ、世界各地からヨルバ族にルーツを持つ人々が集まり、他の地域で廃れた文化的伝統が今でも維持されています。

オシュン=オショグボの聖なる木立はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

オシュン=オショグボの聖なる木立
画像素材:shutterstock

オショグボの聖なる木立が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
オーストラリアのスーザン・ヴェンゲルによる作品と新しい宗教建築運動の発展は、オシュン=オショグボの聖なる木立の再興へと繋がるアイデアの交換が見られたという点。

登録基準(iii)
オショグボの聖なる木立は、ヨルバ族の入植地で崇拝され、かつては多くの土地で存在していた聖域の中でも唯一のものであり、これはヨルバ族の世界観を反映したものであったということ。

登録基準(vi)
オショグボの聖なる木立は、ヨルバの神と宇宙観を表したもので、毎年行われる祭りは人間と神々の絆が見られるヨルバの信仰が今でも生き続けているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

オショグボの聖なる木立は、この地に存在していた聖域の中でも唯一残るもので、これらは一時衰退したものの、スーザン・ヴェンゲルの貢献によって現代に復活して、祭りになると世界中に拡散したヨルバ族にルーツを持つ人々が集まるほどの強いアイデンティティや宇宙観が見られるものであるという点で評価されています。

ちなみに、ヨルバ族はなぜか双子が多く、なかには1000件の出産のうちに50組の双子が生まれるとか。その原因は彼らがよく食べるオクラとか言われてますが、全く根拠がないそう。あまりにも双子が多いので、「双子祭り」なるものまで開かれるほど。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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