登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3) |
登録年 | 1995年 |
コロンビア南西部、アンデス山脈に位置するティエラデントロには、7〜10世紀に先住民族によって建造された円形の巨大な地下墓室がいくつか点在。その中でも最大の大きさを誇るセゴビアの円形墓地は直径12mにも及び、天井や壁には幾何学模様や動物、人間のモチーフが見られ、プレ・インカの失われた文化を現在に伝えます。
ここではティエラデントロの国立遺跡公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ティエラデントロの国立遺跡公園について詳しくなること間違いなし!
ティエラデントロの国立遺跡公園とは?
「ティエラデントロ」とは「中の土地」という意味で、この地を訪れたスペイン人によって名付けられました。コロンビア南西部にあるカウカ県に位置するティエラデントロの国立遺跡公園は、4つのエリアに分けられていて、プレ・インカ時代の円形の地下墓室が点在しています。ここは火山による凝灰岩で構成される地形で、7〜10世紀にかけて、まるで家のような形を持つ墓室が地下に建造されました。
これらは階段や螺旋階段が設置されていて、深さは2.5mから最大で7mにも達するほど。大きな墳墓の地下には2〜3の柱が支えられているものもあります。壁面や天井には赤や黒の顔料を使って幾何学模様や動物、人間など描かれました。墳墓の中でも最大の規模を誇る「セゴビアの円形墓地」には直径12mにもなる地下空間が広がっていて、公園を代表する墳墓でもあります。
先住民たちは谷間に小さな集落を築いて暮らし、丘の上に畑などが存在していたということが分かっています。地下墳墓では農具や骨壷なども出土。これらは地下墳墓では葬送儀礼が行われていたことを示し、この地で高度な文明を持つ階層社会が存在していたことも同時に分かるというもの。
ティエラデントロの国立遺跡公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ティエラデントロの国立遺跡公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
ティエラデントロの国立遺跡公園は、高度な文明における生活や儀礼、埋葬習慣などが見られ、これらは南米のアンデス山脈北部地域で発展した、プレ・インカ時代の文化や芸術の存在を示しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ティエラデントロは、地下に築かれた墳墓がいくつも点在し、ここはこの地で暮らした人々の生活や葬送儀礼、埋葬の習慣が見られ、プレ・インカの高度な文明の文化や芸術が見られるという点で評価されています。
ちなみに、「ティエラデントロ(中の土地)」はこの地が山岳地帯に位置する内陸部にあるということから由来しますが、ここはスペイン人が現地に住む先住民になかなか入れてもらえなかったために名付けられた…という説も。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。