コロンビアの世界遺産「ロス・カティオス国立公園」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分(9), (10)
登録基準自然遺産
登録年1994年

コロンビア北西部にある720平方kmもの広大な敷地を誇る国立公園で、ここは太古から存在する熱帯雨林が多くを占め、丘陵や湿原などの自然景観が広がります。そして、パナマとの国境に面していて、中米と南米それぞれの生態系が見られ、多くの固有種や絶滅危惧種が生息しているのが特徴。

ここではロス・カティオス国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ロス・カティオス国立公園について詳しくなること間違いなし!

目次

ロス・カティオス国立公園とは?

ロス・カティオス国立公園
画像素材:shutterstock

パナマとのダリエン国立公園に隣接するチョコ県。国境沿いに広がる720平方kmもの広大な公園は、中米と南米が繋がる土地であることから生物地理学史においては重要な場所となっています。南北を流れアトラス川流域には、低地と高地の熱帯雨林が広がっていて、ここは間氷期でも水没せず、100万年前から残り続けている太古の森でもあるのが特徴。

標高600mの山岳地帯に位置し、広大な湿地帯が広がっていて、中米と南米それぞれの生態系が混在することから、固有種も多く、アメリカクロコダイル、オオアリクイ、ベアードバク(チュウベイバク)などの絶滅危惧種も多く見られるのが特徴。

危機遺産(危機にさらされている世界遺産)

2009年に不法伐採による森林環境が悪化したことから危機遺産に登録。2015年には危機資産から除外されています。

ロス・カティオス国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ロス・カティオス国立公園
画像素材:shutterstock

ロス・カティオス国立公園が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ix)
ロス・カティオス国立公園は、アメリカ大陸の生物地理学の歴史においても重要な役割を果たし、コロンビア北部エリアは第三紀(6430万年〜260万年前)における南北アメリカ大陸間の動物間の交流を防いだフィルター的存在でありました。ここは更新世(約258万年前〜約1万年前)から生き延びたことから、現在でも固有植物の割合が非常に高いという点。

登録基準(x)
ロス・カティオス国立公園は、約450種の鳥類が見られ、コロンビアの約25%、パナマの約50%にもなるほど。ここは中米の動植物が多い一方、南米でもそれらが見られる唯一の保護区でもあり、絶滅危惧種も生息し、植物は約20%はこの地方の固有種であるということ

世界遺産マニアの結論と感想

ロスカティオス国立公園は、中米と南米の交差地であることから、両地域の動植物が多く生息する保護区となり、非常に固有種が多いという独特なエリアであるという点で評価されています。

ちなみに、大陸として中米と南米とは繋がっていますが、パナマ側もコロンビア側からもお互いを行き来する道がないというのは有名な話。南米を通過する「パンアメリカンハイウェイ」もここだけは通っていなくて、その距離は約87km。ここは麻薬の密売ルートになっていて、反政府ゲリラの拠点となってしまっているというのも現状ですが、そのためか、開発もされずに自然はそのまま守られている…という皮肉。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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