奈良県の世界遺産「法隆寺・夢殿」とは?八角形の屋根を含めて世界遺産マニアが解説

登録区分文化遺産
登録基準(1), (2), (4), (6)
登録年1993年

法隆寺・夢殿は「法隆寺地域の仏教建造物」の構成資産の一つ。夢殿は東院伽藍にあり、8世紀から残る八角円堂です。ところで、夢殿はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!

ここでは法隆寺・夢殿がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、夢殿について詳しくなること間違いなし!

目次

法隆寺・夢殿とは?

法隆寺・夢殿
画像素材:shutterstock

法隆寺の東側にある東院伽藍には、仏教関連の建造物が並びますが、これらはもともとは聖徳太子が住んでいた斑鳩宮の跡地に8世紀に建造されたもの。東院伽藍の中心的建築物である夢殿は8世紀初期に造られました。これは現存する最古の八角円堂ではありますが、鎌倉時代に大幅に修理されています。屋根は「八柱造り」という独特の様式で、8本の入側柱が立ち並ぶというのが特徴。

本尊は聖徳太子の顔を表したと伝わる「救世観音菩薩立像」で、これは秘仏(ひぶつ)ではありましたが、明治に評論家の岡倉天心たちによって発見されたとされるもの。ここは平安時代以降、太子信仰の崇拝の場でもありました。

法隆寺・夢殿はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

夢殿が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
世界最古の木造建築であり、設計と装飾においても傑作であるという点。

登録基準(ii)
日本でも初期の仏教建築であり、その後の寺院建築に大きな影響を与えているということ。

登録基準(iv)
法隆寺は中国から渡来した仏教建築が日本の文化に適応して、日本独自の建築様式を発展させていったことを示すという点。

登録基準(vi)
聖徳太子による仏教の奨励は、日本における宗教史において重要な段階であったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

法隆寺の夢殿は、聖徳太子ゆかりの斑鳩宮の跡地に築かれ、独特の仏教建築であり、仏教とともに太子信仰が普及していったという証拠であるという点で評価されています。

ちなみに、聖徳太子はさまざまな伝説を持っていて、中には『未来紀』というノストラダムスの大予言のような予言書を記したとされていますが、これは彼が書いたという証拠もなく、後世に作られたものとか。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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