山口県の世界遺産「萩反射炉」とは？世界遺産マニアが解説

萩反射炉は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の一つ。ここは西欧列強に対抗すべく、長州藩によって建造された試作炉でもあります。ところで、萩反射炉はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは萩反射炉がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、萩反射炉について詳しくなること間違いなし！

萩反射炉とは？

山口県萩市にある反射炉の遺跡。当時の長州藩はアヘン戦争や黒船来航によって、海防を強化すべく、西洋式の鉄製の大砲を鋳造するために、金属溶解炉の建設を計画しました。1855年に既に反射炉を操業していた佐賀藩のものを参考にして、1856年に鋳造を始めました。

しかし、現在の遺構を見ると高さ10.5m。これは非常に小型であり、砲身の内部をくりぬく平錐台（ひらぎりだい）がなく、さらには反射炉の製造を中止したという記録があることから、これは試作炉であったと考えられています。ちなみに、日本に現存する反射炉後は他に静岡県伊豆の国市の韮山反射炉だけなので大変貴重なもの。

萩反射炉はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

萩反射炉が評価されたのが、以下の点。

登録基準（ii）
明治日本の産業革命遺産は、江戸時代から続く封建社会であった日本が19世紀半から西欧の技術によって20世紀初頭まで短期間で世界有数の工業国となり、そのノウハウや技術など、東アジアの工業化において影響を与えたという証拠である点。

登録基準（iv）
日本各地に残る鉄鋼、造船、石炭の産業拠点は、世界の歴史において、西欧諸国以外で初めて近代化に成功し、西欧技術の採用により、地元の技術革新と合わせて日本独自の工業化を反映した産業遺産であったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

萩反射炉は試作炉であると考えられていますが、佐賀藩の反射炉を参考にして築かれ、当時の日本人によって作られた日本独自の工業化を反映したものであるという点で評価されています。

ちなみに、反射炉から歩いて5分の距離にある「道の駅萩しーまーと」は、2015年度に国土交通省から「全国モデル道の駅」の一つに選ばれたほどに優秀な道の駅。萩の漁港の水揚げ高の約15%を道の駅で販売していることから、地産地消に貢献しているのがノミネートの理由だとか。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。