トルコの世界遺産「アヤ・ソフィア」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(3),(4)
登録年1985年

アヤ・ソフィアは「イスタンブール歴史地域」の構成資産の一つ。6世紀に築かれ、16世紀まで世界最大の聖堂であり、広大なドームを持つ構造は建築の歴史を変えた傑作。ところで、アヤ・ソフィアはなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではアヤ・ソフィアがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アヤ・ソフィアについて詳しくなること間違いなし!

目次

アヤ・ソフィアとは?

アヤ・ソフィア
画像素材:shutterstock

アヤ・ソフィアはイスタンブール旧市街のスルタンアフメット広場に面した建造物。ここはもともとはユスティニアヌス1世によって建造されたキリスト教の大聖堂であり、コンスタンティノープル総主教庁が置かれていましたが、15世紀にはモスクに転用されて、一時期「博物館」であったものの、現在は再びモスクとしても利用されています。

聖堂は高さ31mの巨大なドームを持つバシリカ式聖堂。もともとこの地には4世紀にコンスタンティヌス2世によって聖堂が築かれましたが、その後、2回も焼失したため、現在の大聖堂は537年にユスティアヌス1世(482年もしくは483年〜565年)によって建造されたもの。ドームは楕円形となっていて、6世紀、10世紀、14世紀に崩落し、その度に修復されたため、基本的な設計は6世紀の建設当時のままでもあります。

アヤ・ソフィア
画像素材:shutterstock

ビザンツ帝国時代には、聖堂内には美しいモザイクが多く描かれましたが、これらはモスクになると漆喰で埋め込まれてしまいました。現在ではほとんどが修復され、結果的に当時の美しいモザイク画が残っています。東西南北に置かれたミナレットも15世紀から追加されていて、キリスト教とイスラム教それぞれの建築様式が見られるのが特徴。

アヤ・ソフィアはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

アヤ・ソフィア
画像素材:shutterstock

アヤ・ソフィアが評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
アヤ・ソフィアやスレイマニエ・モスクなど、ビザンツ帝国やオスマン帝国時代の傑作が多く残るという点。

登録基準(ii)
テオドシウスの城壁は軍事建築、アヤソフィアは大聖堂の建築様式やモスクのモデルとなったりと、ヨーロッパと中東各国の芸術や建築様式に影響を与えたということ。

登録基準(iii)
イスタンブールの旧市街に残る建築物はビザンツ帝国とオスマン帝国時代にここが繁栄していた様子がよく分かり、特にスレイマニエ・モスクやゼイレク・モスク周辺の伝統的住宅はオスマン帝国後期の都市設計などが見られるという点。

登録基準(iv)
各時代の建築物が残るイスタンブールは街全体が建築史そのものであるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

アヤ・ソフィアは、ビザンツ帝国時代の最大傑作であり、やがてモスクの設計のモデルともなったという点でも建築史において非常に重要であるという点で評価されています。

ちなみに、ドームは537年に完成後、当時の皇帝のユスティニアヌス帝は献堂式に登場し、「ソロモンよ、余は汝に勝てり!」と叫んだそう。しかし、ドームは20年後に崩壊してしまったため、ちょっとかっこ悪い展開に。その後、再建されたのですが、今度の献堂式は戦車に乗って登場したそうなので、割と過去のことは気にしないタイプなのかもしれません。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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