登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (3), (6) |
登録年 | 1979年 |
スネフェル王の赤いピラミッドは「メンフィスとその墓地遺跡-ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」の構成資産の一つ。ダハシュールにある赤いピラミッドは、世界初の真正ピラミッドとして後の時代に影響を与える傑作でもありました。ところで、赤いピラミッドはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここでは赤いピラミッドがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、赤いピラミッドについて詳しくなること間違いなし!
スネフェル王の赤いピラミッドとは?
首都カイロからから南へ約40kmにあるダハシュール。ここにはかの有名なギザのピラミッドを建造したクフ王の父であり、第4王朝の創設者であるスネフェル王(紀元前2600年前後)のピラミッドの一つ、赤いピラミッドがあります。
これより以前に建造されたとされる屈折ピラミッドから1kmほどの距離にあり、高さは105mとエジプトではギザのクフ王、カフラー王についで3番目に高いピラミッドとなっています。建設に関しては、はっきりとはしていないのもの、紀元前2590年ころから始まったと考えられ、傾斜はそれまでのピラミッドとは異なり、底辺から頂上まで約43度という角度が変わらない世界初の真正ピラミッドでした。
入口は地上約29mの位置にあり、内部には前室が2つ、玄室と思われる部屋があるものの、ここからは埋葬跡は見つかっておらず、スネフェルの石棺は不明なまま。後に外壁を覆っていた白い石灰石が削られていき、むき出しの花崗岩が赤く見えることから「赤いピラミッド」と、後世で名付けられました。
スネフェル王の赤いピラミッドはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
赤いピラミッドが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
サッカーラの史上初のピラミッドや4000年以上の歴史を誇るギザの大ピラミッドなど、人類史に残るピラミッドが集まっているという点。
登録基準(iii)
ピラミッドはエジプト文明の形成にさかのぼるシンボルであり、この地に存在した王朝の権力と組織の象徴であったということ。
登録基準(vi)
メンフィスは、プタハ信仰の中心地というだけでなく、芸術などが盛んな美しい都であったということが分かるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
赤いピラミッドは、クフ王の父であるスネフェル王のピラミッドだけあって、ギザの大ピラミッドに影響を与え、王の権力のシンボルでもあったという点で評価されています。
ちなみに、玄室と思われる部屋は特に石棺などがないものの、ミイラの断片が発見されていて、これがスネフェル王のものだと考える研究者もいます。しかし、ここは盗掘に遭っている上に、古王国時代の処理が見られることから、無関係の人物であるとも。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。