ベネズエラの世界遺産「カラカスの大学都市」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1), (4)
登録年2000年

ベネズエラの首都カラカスには、ベネズエラ中央大学を中心とした学園都市があり、ここはベネズエラを代表する建築家カルロス・ラウール・ビリャヌエバによって設計された近代計画都市。アメリカの彫刻家であるアレキサンダー・カルダーの代表作である『雲』と呼ばれる講堂やオリンピックスタジアムなど、近代建築の傑作が多く並んでいます。

ここではカラカスの大学都市がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カラカスの大学都市について詳しくなること間違いなし!

目次

カラカスの大学都市とは?

オリンピックスタジアム/カラカスの大学都市
画像素材:shutterstock

首都カラカスの中央部にあるリベルタドル市のベネズエラ中央大学は、独立の英雄であるシモン・ボリバルによって設立された大学。1940〜60年代にかけて、都市計画の一環として、20世紀のベネズエラを代表する建築家カルロス・ラウール・ビリャヌエバによって、校舎や寮、博物館、図書館などがある大学都市の開発されました。彼はキャンパス内に近代建築や芸術作品を配し、ここには植物園なども含まれています。

建築物は鉄筋コンクリートを使用した最新の建築技術が見られ、熱帯気候に合わせて中庭や格子窓などを導入しています。キャンパス内には、アメリカの彫刻家であるアレキサンダー・カルダーの代表作である『雲』と呼ばれる講堂(アウラ・マグナ)や、オリンピックスタジアムなど、近代建築の傑作が多く並んでいます。

カラカスの大学都市はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

カラカスの大学都市
画像素材:shutterstock

カラカスの大学都市が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
カラカスの大学都市は、ベネズエラを代表する建築家カルロス・ラウール・ビリャヌエバと著名な前衛芸術家によって設計された、近代的な計画都市と建築物、芸術作品の傑作であるという点。

登録基準(iv)
カラカスの大学都市は、20世紀初期の都市、建築、芸術などをすべて取り入れた学園都市で、構成される建築物は植民地時代の伝統と空間の独創的な解釈を施し、熱帯気候に合わせて通気性も考慮したものであるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

カラカスの大学都市は、キャンパスの中に校舎だけでなく、都市や建築、芸術作品などを含めた大学都市で、植民地時代の伝統や鉄筋コンクリートなどの空間設計、さらには通気性を考慮した格子窓や中庭の設置など、建築物にも工夫をした近代都市を築き上げたという点で評価されています。

ちなみに、カラカスは首都ではあるものの、「カラカス市」というのは存在せず、首都地区リベルタドル市と北部のミランダ州の4市を含めて「カラカス大都市地区」として存在しています。つまり、カラカスというと、リベルタドル市を指すこともあるし、カラカス大都市地区を指すこともあるので、少しややこしいところ。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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