登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (3), (6) |
登録年 | 1979年 |
クフ王の船(太陽の船)は「メンフィスとその墓地遺跡-ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」の構成資産の一つ。クフ王のピラミッドの近くで埋められていた船で、太陽神ラーの船のように見えることから「太陽の船」と呼ばれています。ところで、クフ王の船はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではクフ王の船がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、クフ王の船について詳しくなること間違いなし!
クフ王の船(太陽の船)とは?
首都カイロの郊外・ギザの台地に佇む、クフ王(在位:紀元前2589年〜紀元前2566年頃)のピラミッドは世界最大のピラミッドであり、紀元前2700年〜紀元前2500年ころに建造されたとされています。ピラミッドの南側では、1954年に分解された船が発見されていて、石杭で閉じ込められていたために保存状態はかなり良好。
エジプト考古庁によって28年にも渡って、649の断片を組み合わせ、全長43.32m、幅5.66mもの船が復元されました。その姿はまるで、太陽神ラーが乗る船である「太陽の船」のようであることから、その名前が付けられています。実際に水に濡れていた部分があることから、これはクフ王が巡礼訪問に使用したものだとか、死亡した際に遺体を運ぶために使用されたものだとか、さまざまな説がありますが、今でもハッキリとは分かっていません。
クフ王の船(太陽の船)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
クフ王の船が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
サッカーラの史上初のピラミッドや4000年以上の歴史を誇るギザの大ピラミッドなど、人類史に残るピラミッドが集まっているという点。
登録基準(iii)
ピラミッドはエジプト文明の形成にさかのぼるシンボルであり、この地に存在した王朝の権力と組織の象徴であったということ。
登録基準(vi)
メンフィスは、プタハ信仰の中心地というだけでなく、芸術などが盛んな美しい都であったということが分かるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
クフ王の船は、太陽神ラーの船のように見えることから太陽の船とも呼ばれますが、これは4000年以上の歴史を誇るクフ王のピラミッドの付属品として、当時の王朝の繁栄が見られるという点で評価されています。
ちなみに、1987年には早稲田大学エジプト学研究所が地中探査で第二の太陽の船を発見し、発掘から復元までエジプト考古庁とともに行う予定。今後は大エジプト博物館(GEM)の展示棟にて置かれ、なんと復元していく様子が見学できるという面白いコーナーになるとか。2027年には完成予定なので気長に待ちましょう。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。