ジンバブエの世界遺産「マトボの丘」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (5), (6)
登録年2003年

ジンバブエ南西部にあるマトボの丘は花崗岩の岩場が連なるエリアで、独特の奇岩が多く見られます。ここは石器時代初期からの聖地であり、祖先の霊が眠る場所としてサン族により壁画が描かれ続けました。

ここではマトボの丘がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、マトボの丘について詳しくなること間違いなし!

目次

マトボの丘とは?

画像素材:shutterstock

ジンバブエ南西に位置するブラワーヨから南へ約35kmに位置する丘陵地帯。マトボとは、「はげ頭」を示すもの。ここはジンバブエ最古の国立公園となっていて、何百万年にも渡る浸食によって花崗岩の巨岩が絶妙なバランスで積み重なったように見えるという独特の地形が見られます。

ここは神と祖先の霊が眠る場所として、人々は自然に形成された洞窟や石窟に暮らし、1万3000年以上前から岩や洞窟に壁画が描かれてきました。これらは砂漠に住む狩猟民族であるサン族によって描かれたものとされていて、壁画からは石器時代の狩猟社会から鉄器時代の農業社会へ移行する人間社会の変化も見られます。そして、ここはアフリカ南部で最も古い伝統が残る地の一つ。

マトボの丘はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

マトボの丘が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
マトボの丘は、南アフリカでも最も多くの壁画が残る地であり、そこからは狩猟社会から農業社会へ至る変化が見られる場所でもあるという点。

登録基準(v)
壁画からはこの地で暮らす人々と周囲の環境の相互作用が見られ、ここには古くから祖先信仰の伝統が残る地であるということ。

登録基準(vi)
この地の祖先信仰の伝統は鉄器時代にまで遡り、南アフリカでも儀式や宗教的行為が今でも行われている場所であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

マトボの丘は、奇岩の多い花崗岩が広がるエリアで、自然の中で生きる人々によって壁画が多く描かれ、これは人々がここに定住し、農業社会へと変化していった足跡が見られるという点で評価されています。そして、その宗教的伝統が現在でも続いているという点もポイント。

サン族は、かつては東アフリカにも多く住んでいたとされますが、現在はボツワナやナミビアなどにまたがるカラハリ砂漠に住んでいます。現在この地に住むのはジンバブエの多数派であるショナ人が住んでいるのですが、今でもマトボは聖地として利用。ここは「声」が聞こえるらしく、聖地としてはかなり格式が高いものだそう。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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