イタリアの世界遺産「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオモ)」とは?世界遺産マニアが解説

登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(3),(4),(6)
登録年1982年

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂は「フィレンツェ歴史地区」の構成資産の一つ。ここはフィレンチェの大司教座聖堂であり、巨大な二重構造のドームが街のシンボルでもあります。ところで、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂について詳しくなること間違いなし!

目次

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオモ)とは?

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオモ)
画像素材:shutterstock

聖堂は街の中心部に位置してして、フィレンツェのシンボル的存在。その名は「花の(聖母)マリア」という意味で、まさに芸術の街にふさわしい壮麗な建造物でもあります。ここはドゥオモ(大聖堂)とサン・ジョヴァンニ洗礼堂、ジョットの鐘楼で構成されるのが特徴。

ドゥオモ(大聖堂)

最後の審判』/ドゥオモ(大聖堂)
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1296年に着工し、140年もの歳月をかけて完成した大聖堂。もともと4世紀には教会堂が建造され、7〜9世紀にかけてロマネスク様式となるも、手狭になったために現在の大聖堂が築かれ、西側は長方形、東側はラテン十字の構造となりました。ここはコジモ・デ・メディチ(1389〜1464年)の援助もあり、ゴシック様式や初期ルネッサンス様式などが入り乱れた建造物。

高さ約100m、直径42mの二重円蓋(クーポラ)は建築家ブルネレスキ(1377〜1446年)によるもの。ドーム内には『最後の審判』が描かれていて、当時は世界最大規模のドームでもありました。

サン・ジョヴァンニ洗礼堂

サン・ジョヴァンニ洗礼堂
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大聖堂付属の洗礼堂で起源は4〜5世紀と、3つの建造物でも最古のもの。現在の八角形の建造物は11世紀建造のロマネスク建築で、屋根部分は12世紀、内陣は13世紀に完成。特に有名なのが、15世紀に完成したロレンツォ・ギベルティによる東側の扉で、芸術家ミケランジェロが『天国への門』と称賛したことでも知られます。ただ現在の門はレプリカで本物は博物館に配置。

ジョットの鐘楼

ジョットの鐘楼
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大聖堂の脇に建っている鐘楼で高さは84m。芸術家ジョット(1267年頃〜1337年)の構想によって1334年に建造されたため、このような名前になっています。しかし、その後は弟子であるアンドレア・ピサーノや別の建築家フランチェスコ・タレンティによって引き継がれ、結局1387年に完成。

ジョットの構想はあくまでも基底部分であり、2階がピサーノ、3階がタレンティの指揮によるものであるために、それぞれの装飾が異なるということもありますが、大聖堂と同じように赤、白、緑の大理石に覆われていて調和がとれています。

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオモ)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオモ)
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サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
フィレンツェの建造物や美術作品は6世紀以上に渡って築かれ、これらは人類の創造的な傑作であるという点。

登録基準(ii)
レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロという2人の天才を育てたフィレンツェは、ルネサンス生誕の地の一つであり、ヨーロッパ全体に影響を与えたものであったという点。

登録基準(iii)
フィレンツェの優雅な宮殿や邸宅は中世とルネサンス期に栄えた商業都市だったということを証明するということ。

登録基準(iv)
ヨーロッパでも有数の経済都市であるフィレンツェは14〜17世紀にかけて壮麗な建造物が多く作られたということ。

登録基準(vi)
コジモが設立したプラトン・アカデミーなど、フィレンツェはルネサンスの概念が生み出された都市であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂は、後期ゴシック建築から初期ルネサンスの移行期に築かれ、芸術都市として発展したフィレンツェのシンボルであるという点で評価されています。

ちなみに、大聖堂内にはミケランジェロの代表作である『ピエタ』があります。バチカンのサン・ピエトロ大聖堂は聖母マリアとイエス・キリストがテーマであり、こちらのほう有名ですが、フィレンツェ版はニコデモと呼ばれるユダヤ人とマグダラのマリアが加わっているのが特徴。イエスの後ろに陣取るニコデモが目立つという構成ですが、これはミケランジェロをモデルにした説があるものの、未完成のため…今でもその真意は不明。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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