登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (3), (4) |
登録年 | 1987年(2004年拡大) |
故宮博物院(北京)は「北京と瀋陽の明・清王朝皇宮」の構成資産の一つ。首都・北京にあり、明と清朝時代の皇宮であった紫禁城は、現在は故宮博物院として180万にも及ぶコレクションが並ぶ博物館でもあります。ところで、故宮博物院はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここでは故宮博物院にがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、故宮博物院について詳しくなること間違いなし!
故宮博物院(北京)とは?
北京の中心部に位置する紫禁城は、72平方kmの面積を誇る世界最大の木造建築物。現在は「故宮博物院」として博物館となっています。「故宮」とは、古い宮殿という意味で、これは後年にこのように呼ばれたもの。もともとは紫禁城と呼ばれていました。ここは15世紀から20世紀にかけて、明と清の2つの中国王朝の皇宮として使用された場所。
1924年に清朝最後の皇帝であった溥儀(1906〜1967年)が紫禁城から去ると、1925年に宮殿内で清朝のコレクションが一般公開されました。その後、これらは蒋介石(1887〜1975年)によって南京へと移され、さらに第二次世界大戦後は、第一級の収蔵品の一部が台湾の「国立故宮博物院」へと移され、現在では約68万点が台北で展示されています。
残った収蔵品は紫禁城に戻されると、城はそのまま博物館とされ、敷地内は展示館として利用されています。収蔵品は絵画や陶磁器、文書など180万点もあり、これらのほとんどが清朝時代のコレクション。そして、南京には台湾へと運ばれなかったコレクションも残されたために「南京博物院」として公開されています。
故宮博物院(北京)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
故宮博物院が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
紫禁城は、中国の宮殿建築の最高傑作であるということ。
登録基準(ii)
瀋陽故宮は、17〜18世紀の遊牧民の伝統と中国の宮殿建築の融合が見られるという点。
登録基準(iii)
紫禁城は、中国の歴史の証人でもあり、中国の建築技術や芸術の知識がすべて詰め込んだものである一方、女真族のシャーマニズムの伝統も残しているということ。
登録基準(iv)
紫禁城は、中国全土を支配したというスケールの大きさを感じさせる建築物である一方、女真族の伝統も見られるもので、17〜18世紀における中国の建築の発展が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
紫禁城は、中国の宮殿建築において最高傑作であり、博物館として保護されていて、歴代の建築技術や芸術の集合体であるという点で評価されています。
ちなみに、故宮博物院は北京、台北、南京の3つだけではありますが、2022年には香港に「香港故宮文化博物館」という北京の故宮博物院が築かれ、さらに「故宮博物院」は各地に増え続けています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。