大阪府の世界遺産「塚廻古墳」とは？世界遺産マニアが解説

塚廻古墳（つかまわりこふん）は「百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群-」の構成遺産の一つ。大仙陵古墳（仁徳天皇陵）の近くにある古墳で、出土した木棺の一部からは副葬品が発見されたという貴重な古墳。ところで、塚廻古墳はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは塚廻古墳がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、 塚廻古墳について詳しくなること間違なし！

塚廻古墳とは？

日本で最も大きな古墳、大仙陵古墳の東に位置する円墳。直径は35m、高さ4.5mであり、築造時期は5世紀中期と推測されています。ここは大仙陵古墳の陪冢（ばいちょう、大きな古墳に付属する古墳）と考えられていて、関係も深いと推測される古墳。

1912年の発掘調査にとり、長さ3mの木棺の一部と思われるものが発見され、ここには玉類だけでなく、剣や鏡など、副葬品が発見されています。大仙陵古墳の陪冢は埋葬者が不明なものが多いですが、塚廻古墳は副葬品まで発掘された非常に珍しい古墳。

塚廻古墳はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

塚廻古墳が評価されたのが、以下の点。

登録基準（iii）
百舌鳥・古市古墳群は、日本全国にある16万もの古墳の中でも、古墳時代を代表するもので、この時代の社会構造や階級、高度な葬送文化を示すものであるという点。

登録基準（iv）
百舌鳥・古市古墳群は、古代の東アジアにおいても優れた陵墓で、埴輪や葺石（ふきいし）で覆われた墳丘は階層社会の確立を示しているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

塚廻古墳は副葬品が多く発見されていることから、古墳が築かれた時代の日本の社会や葬送の文化がよく分かるという点で評価されています。

ちなみに、群馬県の太田市にも同名の古墳が発見されているのですが、あちらの正式名称は「塚廻り古墳」と少しだけ混乱が避けられるようになっています。「塚廻り古墳」は6世紀前半の帆立貝形古墳で、埋葬者も分かっているという点でも貴重な古墳。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。