大阪府の世界遺産「栗塚古墳」とは？世界遺産マニアが解説

栗塚古墳（くりづかこふん）は「百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群-」の構成資産の一つ。日本で2番目に大きな古墳・誉田御廟山古墳（こんだごびょうやまこふん）の東側にある方墳。ところで、栗塚古墳はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは栗塚古墳がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、栗塚古墳について詳しくなること間違なし！

栗塚古墳とは？

羽曳野市にある日本で二番目に大きな古墳、誉田御廟山古墳（こんだごびょうやまこふん）の濠の東側に位置する方墳。墳丘長43m、高さは5mと、誉田御廟山古墳の陪冢（ばいちょう、大きな古墳に付属する古墳）とされ、墳丘の向きも誉田御廟山古墳と平行していることから、関係性は深いとされています。

墳丘部分は立ち入り禁止となっていて、現在は石碑が残されているだけ。段丘と濠からは円筒埴輪や家型の形象埴輪が発見されていて、古墳は5世紀前半の建造とされるもの。1988・1989年に古墳の部分的な発掘が行われ、ここは2段の方墳であり、葺石（ふきいし、表面を貼り付けるための石）が敷かれていたことが分かりました。

栗塚古墳はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

栗塚古墳が評価されたのが、以下の点。

登録基準（iii）
百舌鳥・古市古墳群は、日本全国にある16万もの古墳の中でも、古墳時代を代表するもので、この時代の社会構造や階級、高度な葬送文化を示すものであるという点。

登録基準（iv）
百舌鳥・古市古墳群は、古代の東アジアにおいても優れた陵墓で、埴輪や葺石（ふきいし）で覆われた墳丘は階層社会の確立を示しているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

栗塚古墳は小高い丘のように見えますが、貴重な埴輪が発掘されたことから、古墳が築かれた時代の日本の社会や葬送の文化がよく分かるという点で評価されています。

ちなみに、「栗塚古墳」は奈良県の生駒郡平群町にも同名の古墳があり、これは少し時代が下って6世紀中頃建造のものとされています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。