インドとスリランカの南西に位置する島国であるモルディブ共和国は、アイランドリゾートで有名な国。自然あふれる楽園ビーチで知られるものの、世界遺産はあるのでしょうか?
ここでは、モルディブの世界遺産はあるのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説していきましょう。
モルディブに世界遺産は存在しない?
モルディブは、インド亜大陸南部に浮かぶ26の環礁、そして、1192の島々から構成される国で、国土のほとんどが海で構成されています。産業は漁業と観光業であり、特に観光については、モルディブの主軸産業となっていて、世界の有名ホテルチェーンが一つの島にホテルを建造するというリゾートアイランドであることから、各国からバカンスを楽しむ客が多く訪れます。
しかし、人気のリゾート地ではありますが、モルディブ国内には世界遺産として登録されている物件が一つもありません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在のモルディブの暫定リストには「モルディブの珊瑚造りのモスク群」が登録されているものの、これはまだ世界遺産委員会から審査を受けていないといった状態。
世界遺産候補「モルディブの珊瑚造りのモスク群」とは?
モルディブは、インドやスリランカからの移住者で建国されたこともあり、人々は12世紀ころから大陸から伝来したイスラム教に改宗していきました。しかし、島国であったためにモスクはサンゴ石と木材を利用して形成されたというユニークなもの。
サンゴ石に彫刻を施し、漆塗りの木材を組み合わせたモスクは世界でもモルディブでしか見られません。実はサンゴ石の技術は現在の島では失われてしまったということもあり、政府からも推薦されています。リストとして登録されているのは、首都マレにある金曜モスクなどが中心。しかし、1988年に推薦したものの、委員会からは「登録延期」となって以降、モルディブ政府は暫定リストの内容を見直して現在に至っています。
世界遺産マニアの結論と感想
残念ながらモルディブには世界遺産がありませんが…しかし、それは現段階の話。これからモルディブ政府が推薦すれば、モルディブ初の世界遺産は誕生するハズ!世界遺産が生まれる可能性は、あくまでも「これから」なのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。