ブルネイといえば、ボルネオ島の北部にあり、石油や天然ガスなど、資源が豊富な国家として有名。それだけに豪華なモスクが国内にあるものの…世界遺産はあるのでしょうか?
ここでは、ブルネイの世界遺産はあるのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説していきましょう。
ブルネイに世界遺産は存在しない?
ブルネイはボルネオ島のマレーシア領に囲まれた小さな国家ではあるものの、国民総所得は東南アジアではシンガポールに次ぐほど豊かな国で、石油と天然ガスの輸出によって繁栄した国。首都バンダルスリブガワンにある「スルターン・オマール・アリ・サイフディーン・モスク」はアジア太平洋で最も素晴らしいモスクの一つとされ、ブルネイのシンボルでもあります。
しかし、モスクは1958年に建設された現代建築のため、世界遺産としては登録されていません。ブルネイには密林地帯が多く、生物多様性も見られるのですが、世界遺産は一つもないのです。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在のブルネイの暫定リストはひとつも存在していないため…残念ながら世界遺産が生まれる可能性は今のところ0%です。まずは、世界遺産になるほどの魅力的なスポットを探し、さらにそれを世界遺産にする理由を探す段階であるため、かなりの時間を要するのが実情。
ブルネイには世界遺産がないが、近くには世界遺産「グヌン・ムル国立公園」がある!
ブルネイには世界遺産はないですが、実は国境沿いには「グヌン・ムル国立公園」というマレーシア領のサラワク州にある国立公園が世界遺産に登録。グルン・ムルは「ムル山」という意味で、ここは標高2376mの山の裾野にカルスト地形が広がっています。山には多く洞窟が点在していて、総延長295kmにもなり、これらは6500万年以上前からの地形の変化が分かる場所。
約3500種の維管束植物や100種のヤシなど、動植物の種類が豊富で、山中には洞窟が多く、その中でもサラワク・チャンバー(洞窟)は世界最大の地下洞窟空間とされています。
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世界遺産マニアの結論と感想
残念ながらブルネイには世界遺産がありません。一方、ブルネイから一番近い世界遺産、グヌン・ムル国立公園へはブルネイ国内からアクセスするのは難しく、近くの都市コタキナバルから飛行機を利用して訪れるのが一般的。現状ブルネイの暫定リストは一つも登録されていないので、世界遺産が誕生するまでの道のりはまだ長いかと思いますが、いつかは誕生することを祈るばかりですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。