南アフリカの世界遺産「人権、解放と和解 : ネルソン・マンデラの遺産群」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(6)
登録年2024年

南アフリカ共和国の第8代大統領であり、アパルヘイト体制を終了させた英雄、ネルソン・マンデラ(1918〜2013年)の足跡を中心に世界遺産に登録。これらは南アフリカの人権、開放、和解にいたるまでの闘争の歴史を示し、パン・アフリカ主義や人々が助け合って生きるという「ウブントゥ」の精神などを反映しているもの。

ここでは人権、解放と和解 : ネルソン・マンデラの遺産群がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、 ネルソン・マンデラの遺産群について詳しくなること間違なし!

目次

人権、解放と和解 : ネルソン・マンデラの遺産群とは?

南アフリカ国内の14の遺産から構成され、これらは20世紀の南アフリカの政治史に関連したもの。構成遺産としては、南アフリカの首都であるプレトリアの大統領官邸である「ユニオンビル」、ヨハネスブルグ郊外にある、アパルトヘイトに対する抗議活動によって69名もの人々が殺害された「シャープビル虐殺事件」の関連遺産、南部にあり、ネルソン・マンデラのが少年時代に暮らしたムケケズウェニの「グレート・プレイス」などが登録。

これらはアパルトヘイト(アフリカーンス語で「分離、隔離」意味する、政府による人種隔離政策)に対する長い闘争を記憶するものであり、反アパルトヘイト運動に情熱を燃やしたネルソン・マンデラの影響が見られるもの。

人権、解放と和解 : ネルソン・マンデラの遺産群はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?

ネルソン・マンデラの遺産群が評価されたのが、以下の点。

登録基準(vi)
これらの構成遺産は、南アフリカにおける人権、解放、和解を示し、ネルソン・マンデラの強い影響が見られる、アパルトヘイトを行った南アフリカに対する長い闘争を記録したもの。そして、これらは人種に隔てることなく、アフリカ系住民の解放思想「パン・アフリカ主義」や、南アフリカに暮らすズールー人の思想で、人間は個人を中心にするのではなく、助け合って生きるという「ウブントゥ」の哲学を示すという点。

世界遺産マニアの結論と感想

反アパルトヘイト運動の伝説的指導者であるネルソン・マンデラに影響を受けたものとして、南アフリカの人権、解放、和解を示す遺産であり、これらは非人種主義やパン・アフリカ主義、ウブントゥなどが反映されているという点で評価されています。

ちなみに、世界遺産には登録されていませんが、ネルソン・マンデラは南アフリカ南部のクヌ村の近くのムヴェゾで生まれ、もともとは首長の息子でした。しかし、父親が亡くなり、マンデラは養子としてムケケズウェニの王族の家に暮らすことになります。とはいえ、マンデラにとって、のんびりと牧畜を行っていたクヌでの少年時代は思い出深かったようで、死後はここで埋葬されています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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