島根県といえば、中国地方の北部に位置していて、出雲地方、隠岐地方、石見地方と3つのエリアに分かれています。出雲大社など、神話の時代からの信仰が残る地ではありますが、島根県には世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、島根県の世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
石見銀山遺跡とその文化的景観
銀鉱山跡と鉱山町/太田市
世界遺産としては、銀山柵内、代官所跡、矢滝城跡、矢筈城跡、石見城跡、大森銀山、宮ノ前地区、熊谷家住宅、羅漢寺五百羅漢の9箇所が登録。一般的な銀鉱山のイメージであるエリアであり、「銀鉱山跡」には「間歩(まぶ)」と呼ばれる600もの坑道が残っていて、人々が暮らした「鉱山町」や石見城跡などの山城も残ります。
銀山柵内
ここでは鉄鉱石の採掘から精錬まで、銀生産の一連の行程が行われました。ここは龍源寺間歩や大久保間歩などを代表に600ほどの坑道が確認されていて、特に龍源寺間歩は江戸時代中期に建造され、良質の鉄鉱石が多く掘られた坑道です。
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大森銀山(重要伝統的建造物群保存地区)
銀山柵内の北側に広がる重要伝統的建造物群保存地区。ここは伝統的な木造建築が広がり、南側の銀山地区と北側の大森地区の2つに分かれています。大森地区には、かつてこの地を治めていた代官の住まいであった代官所跡(現・石見銀山資料館)もあり、当時の暮らしが分かるというもの。
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街道(石見銀山街道)/太田市
石見岐山で産出された銀などを陸路で結ぶという通路。世界遺産としては、大森から鯛の浦へ結ぶ「鞆ヶ浦道」、大森から西田集落を中継地として温泉津と沖泊へと結ぶ「温泉津沖泊道」の2つが登録されています。これらは16世紀後半から利用されていて、石段や側溝だけでなく、石切場の跡も残存。
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港と港町/太田市
鞆ヶ浦、沖泊、温泉津の3つが登録。大田市仁摩町にある「鞆ヶ浦」は16世紀後半に開発された港で、ここから銀を博多へと積み込み、世界へと輸出していました。奥行きが約100m、幅は約30mの入江で、当時は日本海側の最大の港であった場所でもあります。
大田市温泉津町にある「沖泊」はリアス式海岸沿いの谷状の地形で、こちらも16世紀後半に城と港が築かれていて、江戸時代は大いに繁栄した港。「温泉津」は古くからの温泉街である一方、港町でもあり、ここからも銀を積み込み、輸送していました。
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世界遺産マニアの結論と感想
島根県の世界遺産としては1件ではありますが、「石見銀山遺跡とその文化的景観」の構成資産として数えると14箇所も登録されています。日本でも最大の銀山町であっただけに、坑道から街道、港町まで幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。