中央アジアと南アジアの間に位置するアフガニスタンは、山々に囲まれた国。現在は社会的に不安定で内戦や紛争も多いイメージではありますが、ここはかつては文明の交差地で、バーミヤンやジャームのミナレットなど、東西の文化交流が見られる2つの遺産があります。
ここでは、アフガニスタンの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。これを読めば、アフガニスタンの世界遺産について詳しくなること間違いなし!
バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群
アフガニスタン中央部にあるバーミヤン遺跡は、1〜13世紀にかけて仏教文化が花開いた場所。バーミヤンの近郊に作られた石窟仏教寺院には、数多くの仏像や壁画がありました。
バーミヤンはさまざまな文化や宗教が混じり合う「文明の十字路」と呼ぶべき交易都市でした。当時この地を治めていたバクトリアによって1世紀ころから石窟仏教寺院が作られ、ここではインドやギリシャ、ペルシアなどの文化が融合してガンダーラ美術と呼ばれる独自の仏教美術が形成された過程がよく分かります。
危機遺産(危機にさらされている遺産)
2001年3月には2つの大仏がタリバンによって破壊され、危機遺産に登録されたという悲劇の遺産。大仏だけでなく、壁画も8割ほど失われたとされていて、現在も修復が続けられています。
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ジャームのミナレット
ジャームのミナレットとは、アフガニスタン中央部の渓谷沿いに築かれた高さ65mのミナレット(尖塔)のこと。12世紀にアフガニスタンからインドまで支配したゴール朝(11世紀前半〜13世紀前半)のスルタンであった、ギヤースッディーン・ムハンマドによって建造されたとされています。
かつてここには夏の離宮やモスクがあったとされますが、なぜミナレットだけ残ったのかは今でも不明。ミナレットには、青いタイルやクーフィー体アラビア文字の刻印などの装飾が今でも残っています。
危機遺産(危機にさらされている遺産)
2001年のアフガニスタン侵攻以降、ミナレットは混乱による盗掘や破壊が続き、危機遺産に登録。
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世界遺産マニアの結論と感想
現在も内戦や紛争が続き、政治的に不安定なイメージのあるアフガニスタンではありますが、実は世界遺産に登録されるほどに歴史的価値のある遺跡が2つも残っています!
しかし、バーミヤンはタリバンによって破壊。日本政府やユネスコととも修復を始めていますが、往時の姿を取り戻すのはなかなか難しく、一日でも早く復旧されることを祈るばかりです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。