登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(10) |
登録年 | 1981年 |
ケニアとの国境近くにあるセレンゲティ国立公園は、1万4000平方kmにも及ぶ広大な公園。セレンゲティとは、「果てしなく広がる草原」という意味で、園内にはヌーやライオンなど、野生動物が約300万頭も生息しています。
ここでは、セレンゲティ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、セレンゲティ国立公園について詳しくなること間違いなし!
セレンゲティ国立公園とは?
タンザニア北部のマラ州・アルーシャ州・シニャンガ州にまたがる広大な公園で、大きさでいえば関東平野の8割くらい。セレンゲティとは、マサイ族の言葉で「果てしなく広がる草原」。1979年に世界遺産に登録された「ンゴロンゴロ自然保護区」とはもともとは一つの公園で1959年に分裂したもの。
ここはサバンナ地帯に位置し、雨季は植物に覆われるようになり、動物が水と食料を求めてここへ集まってきます。乾季となると大地が干上がるため、年間100万頭のヌーや数十万頭のガゼルとシマウマは、北西部やケニアにあるマサイマラ国立保護区に、全長約10kmの列を作って「大移動」をすることで有名。中には1500kmの距離を移動する動物も。
このように多くの草食動物が決まったルートを移動するので、園内にはライオンやチーター、ヒョウ、ハイエナなどの肉食動物も多く見られます。そして、アフリカサイ、キリン、カバなどの大型動物からアヌビスヒヒやシママングースなどの小型動物、ナイルワニや500を超える鳥類が生息。
この公園を世界に広めたのが、ドイツのフランクフルト動物園で延長を務めたベルンハルト・グジメック。1969年に刊行された『セレンゲティは滅びず』という本では、野生動物の生態系を紹介し、その危機を訴えました。それがきっかけで公園には研究所が作られ、動物の管理や保護を行っています。
セレンゲティ国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
セレンゲティ国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
世界最大の野生動物の「大移動」が見られ、「果てしなく広がる草原」では、肉食動物と草食動物による多様な相互作用が見られるという点。
登録基準(x)
ヌーやガゼル、シマウマなど世界で最も多くの有蹄動物が生息し、公園内はクロサイや、アフリカゾウ、ヒョウ、チーターなど、絶滅危惧種も見られるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
セレンゲティ公園では、草食動物が列を作るという大移動が見られ、それを狙う肉食動物という一連の食物連鎖のサイクルが見られるという点で評価。そして、クロサイやアフリカゾウなど、絶滅危惧種も見られるのもポイント。
ちなみに、ヌーの呼び名の由来は諸説ありますが、「ヌーーーー」って鳴くからヌーになったという話も。そして、「野獣」という意味を示すこともありますが、むしろライオンの食料になっているので、どちらかというと見た目から付けられたのでしょうか…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。