登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2),(4) |
登録年 | 1995年 |
首都コペンハーゲンから西へ約35km。ロスキレにある大聖堂は、12〜13世紀に建造されたスカンジナビア初のゴシック様式の大聖堂。これは北欧のレンガ建築のモデルともなりました。15世紀にはデンマーク王室の墓所が置かれるようになるほどに格式の高い大聖堂でもあります。
ここではロスキレ大聖堂がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ロスキレ大聖堂について詳しくなること間違いなし!
ロスキレ大聖堂とは?
首都コペンハーゲンがあるシェラン島北部に位置するロスキレは、デンマークでも最古の町の一つとされるほどに歴史が深い町。小さな丘の上にある大聖堂は、1170年頃に建造されたロマネスク様式がベースとなっていますが、途中でフランスのゴシック様式の影響を受けてゴシック様式へと変更となりました。結果的に、大聖堂はヨーロッパの建築史の縮図ともいうべきユニークな建造物となったのです。
最大の特徴は、イタリアから持ち込まれた最先端の建築素材であったレンガが北欧に始めて使用されたということ。構造としては、2つの尖塔と半円形のホールがあり、内部はストッコで塗られ、ほとんどが白壁となっています。聖堂内にある三連祭壇は、オランダのアントワープで16世紀に建造されたもの。今でも金色に輝いていて、祭壇画のモチーフはイエス・キリストの生涯となっています。
ロスキレ大聖堂は別名「棺の博物館」?
ロスキレは大聖堂は、デンマークでも主要な大聖堂であり、1413年に摂政であったマルグレーテ1世(1353〜1412年)の石棺がこの地で置かれるようになると、15世紀以降はデンマーク王室の埋葬地となり、それ以降のほとんどのデンマークの王と女王はここで埋葬されています。歴代の王族が埋葬されると、礼拝堂が増設されていくことから、聖堂内には棺が多く置かれているという構造となっていて、まさに「棺の博物館」。
しかし、この「棺の博物館」というのは、昔から存在した別名ではなく、むしろ日本人の間で多く言及されている様子。
ロスキレ大聖堂はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ロスキレ大聖堂が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
ロスキレ大聖堂は北欧初のレンガ建築で、ここから北欧にレンガ建築が広がっていったという点。
登録基準(iv)
大聖堂は何世紀にも渡って増築され、礼拝堂やデンマーク王室の霊廟などが加えられていったという、北欧の大聖堂においては傑作であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ロスキレは、デンマーク王室ゆかりの大聖堂で、初期はロマネスク様式だったのにゴシック様式になったり、さらに増築が加えられ、やがて北欧でも最高傑作の大聖堂となったという点で評価。さらに北欧初のレンガ建築で、ここを基点に北欧にレンガ建築が広まったというのもポイント。
世界遺産的にはロスキレというと「大聖堂の町」ですが、音楽好きからすれば「フェスの町」。夏になると北欧最大の野外音楽フェスとなっていて、実は1971年スタートとヨーロッパでも歴史の深いフェスとなっているのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。