ジョージアの世界遺産「コルキスの雨林・湿地群」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(9), (10)
登録年2021年

「コルキス」とは現在のジョージアの西部の海岸線を指し、約80kmの海岸沿いには豊かな温帯雨林と湿地帯が続きます。ここには非常に多様な動植物が生息していて、固有種も多く見られます。特にオオチョウザメの生息地としても有名で、19種もの絶滅危惧種が見られるのが特徴。

ここではコルキスの雨林・湿地群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コルキスの雨林・湿地群について詳しくなること間違いなし!

目次

コルキスの雨林・湿地群とは?

画像素材:shutterstock

世界遺産に登録されているエリアは南からアジャリア自治共和国、グリア州、サメグレロゼモスヴァネティ州にまたがっていて、ムティララ国立公園、キントリシ国立公園、コブレティ保護区などの7つの構成遺産が点在。ここは海岸から標高約2500mの間にさまざまな地形が見られ、非常に湿度が高く、降水量も多いというのも特徴。よって、豊かな温帯雨林と湿地帯が形成されていったのです。

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森と湿地帯は氷河期以前から存在するもので、独自の進化を続け、非常に多様な生態系を生み出しています。ここには44種の維管束植物、約500種の脊椎動物、約1100種の維管束植物と非維管束植物が生息。そして、絶滅の危機に瀕しているオオチョウザメが生息することでも有名で、他にも絶滅危惧種は19種も生息。湿地はヒメクマタカなどの野鳥が多く見られ、渡り鳥の楽園ともなっています。

コルキスの雨林・湿地群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

コルキスの雨林・湿地群が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ix)
コルキスの雨林は、湿度の高い温帯雨林であり、世界でも古い部類に入るこう広葉樹林の一つで、1000万〜1500万年にわたって進化が見られる貴重な森であるということ。

登録基準(x)
湿度の高い気候に適応した豊かな動植物が集中していて、哺乳類の固有種である率は約28%と独特の生態系が見られる一方、オオチョウザメを始めとする絶滅危惧種は19種も生息しているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

コルキスの雨林・湿地群は氷河期を何回も乗り越えて存在し続ける、世界でも古い部類に入る広葉樹の森で、湿地帯には多くの渡り鳥が生息するという点で評価。そして、キャビアでお馴染みのオオチョウザメを始めとする絶滅危惧種も多く見られるというのもポイント。

ちなみに、「キャビア」というと、チョウザメのキャビアが一番有名で高級なので、日本人からすればチョウザメのものを指すのですが、実はチョウザメの仲間からもキャビアは作れるので、地元のスーパーでは割と安く手に入ったりします。

さらにはカスピ海産のチョウザメが高級品とされますが、イランのチョウザメは釣ってから卵が採取されるので、ストレスがかかり、あまり美味しくない…というのも特徴。それでもロシア産が高すぎるので、イランで買うとかなり安くなるというのもあるのですが…。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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