登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4) |
登録年 | 1997年 |
バルセロナには、アントニ・ガウディと同時代に活躍した建築家ルイス・ドメネク・イ・モンタネルによって設計された2つの建築物があります。鉄骨建築のカタルーニャ音楽堂と、美しいデザインと装飾のサン・パウ病院はモデルニスモ(モダニズム)建築の傑作。
ここではバルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院について詳しくなること間違いなし!
バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院とは?
アントニ・ガウディと同時代に活躍した建築家ルイス・ドメネク・イ・モンタネルは、モデルニスモの建築家。彼がデザイン設計した、バルセロナにある2つの建築物が登録されています。
カタルーニャ音楽堂
街の中心部にある、1905〜1908年にかけて建造された音楽堂。これはウルフェオー・カタラーという合唱団のために建造され、彼らはカタルーニャ・ルネサンスにおいて大いに活躍しました。
音楽堂は自然光を最大限に取り入れるように設計された鉄骨建築で、内部と外部の装飾を最小限に抑えた先鋭的なデザイン。天井はガラスを使用し、内部の装飾もアールヌーボーのように曲線などを多用した、ユニークなデザインでもあります。外壁は鮮やかなモザイク・タイルで覆われていふという、ドメネクの最高傑作。
サン・パウ病院
病院はバルセロナの北部で1902年に着工が始まりましたが、ドメネクは1923年に死去したたため、彼の息子が1930年に完成させました。もともとここには15世紀に建造された6つの病院があったのですが、それらを含めて広大な敷地内に48もの建築物が並ぶもの。モデルニスモ建築でも最大の病院施設でもあります。ここは患者が過ごしやすいようにデザインされたというのも特徴。
バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
カタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
この2つの建造物は、20世紀のバルセロナで流行したモデルニスモ建築の傑作であるという点。
登録基準(ii)
2つの建造物は、カタルーニャのモデルニスモ建築の優れた例で20世紀の建築の発展において重要な役割を果たしたということ。
登録基準(iv)
2つの建造物は、モデルニスモ建築の優れたものであり、人類の創造性と芸術作品が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
この2つの建築物は、モデルニスモ建築の優れた作品で、建築史において大きな役割を果たしているという点で評価されています。
ちなみに、モデルニスモといえばガウディのイメージがありますが、モデルニスモ建築3巨匠はガウディ、ドメネク、プッチ(ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルク)の3人。プッチは特に工場建築で有名で、特に彼の傑作であるカザラモーナ工場はまるで教会のようなデザイン。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。